鬼塚忠氏の「作家になりたい」講座に参加 ― 2017/10/02
アップルシード・エージェンシー代表の鬼塚忠さん(鹿児島市出身)が、牟田京子さんの荒田大学(同市荒田一丁目)で開いた「作家になりたい」講座に参加してきた。
福岡から車で日帰りしたが、得るものがあった。
事前に企画書を提出していた。
本ブログに連載した〝南日本新聞社の移転と、記者人生の終わり〟である。
10年もの間、ずっとフィクションにしようともがいてきたテーマであるが、今回の講座はフィクションは対象外だったので、≪このまま本にはできないな≫と思いながらも提出したのだ。
facebookでいつも見ている鬼塚さんに一度会いたかったし、自分のこだわるテーマに対してどういうアドバイスがあるか興味があった。
訥弁の鬼塚氏は時に言語不明瞭ながら、肝心なところはきっぱりと指摘してくれた。
私のプレゼンに対し、氏は集まった10人に質問。
「これが1800円の本になったとして、買いたい人?」
1人が手を挙げてくれた。
鬼塚氏「何のために書いているのか。南日本新聞の不正、しかも移転問題程度に世間は全く興味を示さないと思う。出版の可能性は1%もない。これにこだわってると、人生を棒に振りますよ」
確かに。もう10年を棒に振っている。
自分でも分かっていたが、鬼塚さんにはっきり言われてすっきりした。
これでもう新聞社時代の過去とは訣別し、切り替えて前を向かなければならない。
では、何をやるか。
鬼塚さんは警察小説と時代小説の二つを勧めてくれた。
どちらも考証が必要だが、それほど気にする必要はないという。
マンガや入門書を何度も読めばいいし、ある警察小説家は裁判調書をそのまま利用して、恋愛要素を加えて作っているというし、水上警察という現実にないものを活躍させている人もいる。
鬼塚さん自身、「花戦さ」に対し、時代考証にものすごい細かい指摘の数々があったという。
要は読者が受け入れればいい、面白ければいい、ということだ。
しかし、小説はもうこりごりだ。
なんとか実用書・ノンフィクションを書きたい。
面白いかどうかはSNSで反応を見る。まずは、「100いいね」をもらえるものを見つけなければ。
生まれ変わるくらいのつもりで、自分が変わらなければならない。
他の参加者3人の企画書も取り上げられたが、人の関心はいろいろだと思った。
子育てや読書術、セクハラ・・・。
私が「くだらん」と思うものでも、鬼塚さんは「可能性がある」と言っていた。
「困っている人の解決方法を提案する」。そこにニーズがあるのだ。
福岡から車で日帰りしたが、得るものがあった。
事前に企画書を提出していた。
本ブログに連載した〝南日本新聞社の移転と、記者人生の終わり〟である。
10年もの間、ずっとフィクションにしようともがいてきたテーマであるが、今回の講座はフィクションは対象外だったので、≪このまま本にはできないな≫と思いながらも提出したのだ。
facebookでいつも見ている鬼塚さんに一度会いたかったし、自分のこだわるテーマに対してどういうアドバイスがあるか興味があった。
訥弁の鬼塚氏は時に言語不明瞭ながら、肝心なところはきっぱりと指摘してくれた。
私のプレゼンに対し、氏は集まった10人に質問。
「これが1800円の本になったとして、買いたい人?」
1人が手を挙げてくれた。
鬼塚氏「何のために書いているのか。南日本新聞の不正、しかも移転問題程度に世間は全く興味を示さないと思う。出版の可能性は1%もない。これにこだわってると、人生を棒に振りますよ」
確かに。もう10年を棒に振っている。
自分でも分かっていたが、鬼塚さんにはっきり言われてすっきりした。
これでもう新聞社時代の過去とは訣別し、切り替えて前を向かなければならない。
では、何をやるか。
鬼塚さんは警察小説と時代小説の二つを勧めてくれた。
どちらも考証が必要だが、それほど気にする必要はないという。
マンガや入門書を何度も読めばいいし、ある警察小説家は裁判調書をそのまま利用して、恋愛要素を加えて作っているというし、水上警察という現実にないものを活躍させている人もいる。
鬼塚さん自身、「花戦さ」に対し、時代考証にものすごい細かい指摘の数々があったという。
要は読者が受け入れればいい、面白ければいい、ということだ。
しかし、小説はもうこりごりだ。
なんとか実用書・ノンフィクションを書きたい。
面白いかどうかはSNSで反応を見る。まずは、「100いいね」をもらえるものを見つけなければ。
生まれ変わるくらいのつもりで、自分が変わらなければならない。
他の参加者3人の企画書も取り上げられたが、人の関心はいろいろだと思った。
子育てや読書術、セクハラ・・・。
私が「くだらん」と思うものでも、鬼塚さんは「可能性がある」と言っていた。
「困っている人の解決方法を提案する」。そこにニーズがあるのだ。
社交の苦手な新聞記者の定年 ― 2017/10/03
本日付産経新聞終面「ベテラン記者ここだけの特別コラム」に共鳴しまくり。
桑原聡記者は今年9月に定年を迎えたというから、たぶん同級生。
「いまさらこんなことを言うのはどうかと思うが、この仕事をしながら、社交が心底苦手なたちであることを悟ってしまった」
いや~同じじゃないか。この人、正直!すがすがしい。
「正直に言えば、自分にむち打ち、いやいや人に会って話を聞く日々を続けていた。よくぞ定年までもったものだ」
待てよ、おれは定年までもたなかったぞ。おれのほうが自分に正直だ。
さらに違うのは、この人、定年後も引き続き、産経新聞で嘱託として書かせてもらっていることだ。
そうなると、プロフィールにある、「〈記者失格、編集者失格、ただの雑文書き〉という自意識を持つ」という一節も、嫌みに思えてくる。
南日本にもいたなあ~自意識過剰のイヤミな先輩記者が。
南日本放送(テレビ)で新聞記事を紹介するコーナーがあって、毎週、着物を着て出ていた。
明治の記者か、お前は!!
あ~、でも、桑原記者がうらやましい。
南日本も私に嘱託でも客員でもいい、コラムを書かせてくれないかな~
もう悪口は書きません。
桑原聡記者は今年9月に定年を迎えたというから、たぶん同級生。
「いまさらこんなことを言うのはどうかと思うが、この仕事をしながら、社交が心底苦手なたちであることを悟ってしまった」
いや~同じじゃないか。この人、正直!すがすがしい。
「正直に言えば、自分にむち打ち、いやいや人に会って話を聞く日々を続けていた。よくぞ定年までもったものだ」
待てよ、おれは定年までもたなかったぞ。おれのほうが自分に正直だ。
さらに違うのは、この人、定年後も引き続き、産経新聞で嘱託として書かせてもらっていることだ。
そうなると、プロフィールにある、「〈記者失格、編集者失格、ただの雑文書き〉という自意識を持つ」という一節も、嫌みに思えてくる。
南日本にもいたなあ~自意識過剰のイヤミな先輩記者が。
南日本放送(テレビ)で新聞記事を紹介するコーナーがあって、毎週、着物を着て出ていた。
明治の記者か、お前は!!
あ~、でも、桑原記者がうらやましい。
南日本も私に嘱託でも客員でもいい、コラムを書かせてくれないかな~
もう悪口は書きません。
首班指名は前原氏か ― 2017/10/04
「希望の党」代表の小池百合子氏は、衆院選に立候補することはないだろう。
いくらなんでも、なってわずか一年の都知事を辞めては、「投げ出し」批判に耐えようがない。今後の政治家人生にも大きな傷になる。
では、希望の党が大きく議席を獲得した場合、誰を首班指名するか。
考えられる選択肢は二つ。
一つは安倍晋三。
つまり自民・希望の大連立内閣で、希望は閣僚を何人か入れる。
憲法9条を改正し、北朝鮮危機に対処するにはこの形が最も望ましい。
安倍さんしか世界と渡り合える政治家はいないからだ。
もう一つは前原誠司。
今回の政界再編は何と言っても、小池・前原の二人が成し遂げたものだ。
国益に反してきた、民進党の最も醜悪な極左を切り捨て、政界から葬り去った功績は計り知れない。これまで誰もできなかったことだ。
前原氏は無所属で当選し、選挙後すぐに希望の党に入党し、小池氏から代表を譲り受け、首班指名に臨むだろう。
これで蓮舫から腐った民進党の代表の座を奪った甲斐もあろうというものだ。見事な起死回生の一発。
ダメダメ民進党の代表から、新しい大野党の党首へ。今回は総理大臣には手が届かないにしても、次は狙える位置につける。
小池さんにとっても民進党の「数」がなければ国政選挙は戦えなかったわけで、2人にとってwin win の結果になる。
それにしても、小池さんの人望が揺らいできた。
「都民ファーストの会」から音喜多駿、上田令子両都議が抜けるらしい。
2人は最も小池さんに心酔して応援してきた、忠実な部下だった。
確かに小池さんの人遣いには温かみが感じられない。駒として利用し、平気で切り捨てる。若狭氏に対しても冷酷さを感じるので、今後も造反は続くかもしれない。
いくらなんでも、なってわずか一年の都知事を辞めては、「投げ出し」批判に耐えようがない。今後の政治家人生にも大きな傷になる。
では、希望の党が大きく議席を獲得した場合、誰を首班指名するか。
考えられる選択肢は二つ。
一つは安倍晋三。
つまり自民・希望の大連立内閣で、希望は閣僚を何人か入れる。
憲法9条を改正し、北朝鮮危機に対処するにはこの形が最も望ましい。
安倍さんしか世界と渡り合える政治家はいないからだ。
もう一つは前原誠司。
今回の政界再編は何と言っても、小池・前原の二人が成し遂げたものだ。
国益に反してきた、民進党の最も醜悪な極左を切り捨て、政界から葬り去った功績は計り知れない。これまで誰もできなかったことだ。
前原氏は無所属で当選し、選挙後すぐに希望の党に入党し、小池氏から代表を譲り受け、首班指名に臨むだろう。
これで蓮舫から腐った民進党の代表の座を奪った甲斐もあろうというものだ。見事な起死回生の一発。
ダメダメ民進党の代表から、新しい大野党の党首へ。今回は総理大臣には手が届かないにしても、次は狙える位置につける。
小池さんにとっても民進党の「数」がなければ国政選挙は戦えなかったわけで、2人にとってwin win の結果になる。
それにしても、小池さんの人望が揺らいできた。
「都民ファーストの会」から音喜多駿、上田令子両都議が抜けるらしい。
2人は最も小池さんに心酔して応援してきた、忠実な部下だった。
確かに小池さんの人遣いには温かみが感じられない。駒として利用し、平気で切り捨てる。若狭氏に対しても冷酷さを感じるので、今後も造反は続くかもしれない。
川内博史氏が立憲民主党から立候補? ― 2017/10/04
川内博史氏が立憲民主党から鹿児島1区で立候補するという。
それ自体はとやかく言うべきものではないが、facebookでの氏の出馬表明に500もの「いいね!」が寄せられたことに驚いた。
立憲民主党とは、枝野幸男を代表に、辻元清美、管直人、阿部知子といった極左からなる集団である。
せっかく今回、小池・前原両氏が世の中のガンであるとして、民進党から明確に排除してくれた人たちである。
川内氏は「ポリシーのない政治家」というイメージが強い。
国政選挙に挑戦した際、毎日、天文館でのぼりを持って辻立ちをしていたが、名前と「よろしくお願いします」の連呼だけで、政策の訴えは一切なかった。「この人は政治家になるのだけが目的の人なんだ」と思った。
案の定、落選し、再び民主党公認で出馬して敗れたが、比例九州ブロックで拾われて初当選した。
その後も3度、比例復活で当選。
2009年にやっと小選挙区で初当選した。
つまり、なんだかんだいって、5期もやっているわけだ。
そして今回、「極左である」という〝ポリシー〟は見せてくれた。
しかし、鹿児島は極左政治家を決して許してはならない。
政治家をやっていて共産主義の恐ろしさを知らないのは馬鹿だ。
小池・前原両氏が政治家の色分けをはっきりあぶり出してくれた。
「隠れ極左」も明るみに出たわけだ。
この連中は政界からも日本からも排除しなければならない。
日本国民の敵なのだから。
※川内氏は9日、鹿児島市で、なんと鳩山由紀夫氏と「憲法セミナー」を開くという。
それ自体はとやかく言うべきものではないが、facebookでの氏の出馬表明に500もの「いいね!」が寄せられたことに驚いた。
立憲民主党とは、枝野幸男を代表に、辻元清美、管直人、阿部知子といった極左からなる集団である。
せっかく今回、小池・前原両氏が世の中のガンであるとして、民進党から明確に排除してくれた人たちである。
川内氏は「ポリシーのない政治家」というイメージが強い。
国政選挙に挑戦した際、毎日、天文館でのぼりを持って辻立ちをしていたが、名前と「よろしくお願いします」の連呼だけで、政策の訴えは一切なかった。「この人は政治家になるのだけが目的の人なんだ」と思った。
案の定、落選し、再び民主党公認で出馬して敗れたが、比例九州ブロックで拾われて初当選した。
その後も3度、比例復活で当選。
2009年にやっと小選挙区で初当選した。
つまり、なんだかんだいって、5期もやっているわけだ。
そして今回、「極左である」という〝ポリシー〟は見せてくれた。
しかし、鹿児島は極左政治家を決して許してはならない。
政治家をやっていて共産主義の恐ろしさを知らないのは馬鹿だ。
小池・前原両氏が政治家の色分けをはっきりあぶり出してくれた。
「隠れ極左」も明るみに出たわけだ。
この連中は政界からも日本からも排除しなければならない。
日本国民の敵なのだから。
※川内氏は9日、鹿児島市で、なんと鳩山由紀夫氏と「憲法セミナー」を開くという。
希望の党の政策協定書はしごく妥当 ― 2017/10/04
希望の党が公認候補と取り交わした政策協定書10項目を評価してみた。
○1、希望の党の綱領を支持し、「寛容な改革保守政党」を目指すこと。
○2、現下の厳しい国際情勢に鑑み、現行の安全保障法制については、憲法にのっとり適切に運用する。その上で不断の見直しを行い、現実的な安全保障政策を支持する。
○3、税金の有効活用(ワイズ・スペンディング)を徹底し、国民が納める税の恩恵が全ての国民に行き渡る仕組みを強化すること。
◎4、憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進めること。
○5、国民に負担を求める前に国会議員が身を切る改革を断行する必要があること、および、いわゆる景気弾力条項の趣旨を踏まえて、2019年10月の消費税10%への引き上げを凍結すること。
◎6、外国人に対する地方参政権の付与に反対すること。
○7、政党支部において企業団体献金を受け取らないこと。
○8、希望の党の公約を順守すること。
△9、希望の党の公認候補となるに当たり、党に資金提供をすること。
△10、選挙期間が終了するまで、希望の党が選挙協力の協定を交わしている政党への批判は一切行わないこと。
○は責任ある政党としては当たり前
◎は素晴らしい
△はよく分かりかねる
以上、×はなく、合格点だ。
もちろん、安倍政権が続くことが第一。
○1、希望の党の綱領を支持し、「寛容な改革保守政党」を目指すこと。
○2、現下の厳しい国際情勢に鑑み、現行の安全保障法制については、憲法にのっとり適切に運用する。その上で不断の見直しを行い、現実的な安全保障政策を支持する。
○3、税金の有効活用(ワイズ・スペンディング)を徹底し、国民が納める税の恩恵が全ての国民に行き渡る仕組みを強化すること。
◎4、憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進めること。
○5、国民に負担を求める前に国会議員が身を切る改革を断行する必要があること、および、いわゆる景気弾力条項の趣旨を踏まえて、2019年10月の消費税10%への引き上げを凍結すること。
◎6、外国人に対する地方参政権の付与に反対すること。
○7、政党支部において企業団体献金を受け取らないこと。
○8、希望の党の公約を順守すること。
△9、希望の党の公認候補となるに当たり、党に資金提供をすること。
△10、選挙期間が終了するまで、希望の党が選挙協力の協定を交わしている政党への批判は一切行わないこと。
○は責任ある政党としては当たり前
◎は素晴らしい
△はよく分かりかねる
以上、×はなく、合格点だ。
もちろん、安倍政権が続くことが第一。
小説の新人賞への再応募② ― 2017/10/04
鈴木輝一郎小説講座へ「某編集部」から業務連絡があったそうだ。
「新人賞の応募作品の転募・再応募は著者に不利なのでやめるように輝一郎さんから小説家志望者のみなさんに告知してください」とのこと。
これを受けて、鈴木さんがfacebookで「はっきり書きます。落選作の再応募は不利です」と呼びかけたところ、「おもいのほか反響が大きかったので、とりあえずまとめてみました。以前は再応募を推奨したんですが、時代がかわりました。いろんなかたの、いろんな意見をざっくりとまとめたでござる」と再び投稿していた。
そこで、私のブログ記事「応募作の使い回しは非難すべきことなのか」(9/21掲載)を鈴木さんのコメント欄に張り付けたところ、ほどなく削除された。
鈴木さん自身書いているように、「以前は再応募を推奨」していたというのだから、別にルール違反でも悪事でもない。
言論封殺しなくてもいいのに。
「新人賞の応募作品の転募・再応募は著者に不利なのでやめるように輝一郎さんから小説家志望者のみなさんに告知してください」とのこと。
これを受けて、鈴木さんがfacebookで「はっきり書きます。落選作の再応募は不利です」と呼びかけたところ、「おもいのほか反響が大きかったので、とりあえずまとめてみました。以前は再応募を推奨したんですが、時代がかわりました。いろんなかたの、いろんな意見をざっくりとまとめたでござる」と再び投稿していた。
そこで、私のブログ記事「応募作の使い回しは非難すべきことなのか」(9/21掲載)を鈴木さんのコメント欄に張り付けたところ、ほどなく削除された。
鈴木さん自身書いているように、「以前は再応募を推奨」していたというのだから、別にルール違反でも悪事でもない。
言論封殺しなくてもいいのに。
おれは「敗残の江戸っ児」か ― 2017/10/04
定年を迎えた新聞記者が、実は社交が心底苦手で、自分にむち打ち、いやいや人に会って話を聞く日々を続けてきたことを昨日紹介し、自分にそっくりだと書いた。
情けない話ついでに、もうひとつ、自分そっくりの人間タイプを紹介しよう。
谷崎潤一郎が随筆「私の見た大阪及び大阪人」に書いている。
東京の下町にいる「敗残の江戸っ児」という型の老人。
「正直で、潔癖で、億劫がり屋で、名利に淡く、人みしりが強く、お世辞をいうことが大嫌いで世渡りが拙く、だから商売などをしても、他国者の押しの強いのとはとても太刀打ちすることが出来ない」
「悪くいえば生存競争の落伍者」
しかし、谷崎はこうした老人を高く評価する。
「彼らが落伍したのはぐうたらで働きがないという欠点にも依るのだけれども、見ように依っては市井の仙人とでもいうべき味があって、過去はともかくも、そこまで到達した彼らに接すると、大悟徹底した禅僧などに共通な光風霽月の感じを受けることがある」
もちろん私はここまでの境地に達していないし、達観もない。
ただ、ばか正直で、億劫がり屋で、人見知りが強く、お世辞を言うことができず、世渡りが下手というだけなのだが。
情けない話ついでに、もうひとつ、自分そっくりの人間タイプを紹介しよう。
谷崎潤一郎が随筆「私の見た大阪及び大阪人」に書いている。
東京の下町にいる「敗残の江戸っ児」という型の老人。
「正直で、潔癖で、億劫がり屋で、名利に淡く、人みしりが強く、お世辞をいうことが大嫌いで世渡りが拙く、だから商売などをしても、他国者の押しの強いのとはとても太刀打ちすることが出来ない」
「悪くいえば生存競争の落伍者」
しかし、谷崎はこうした老人を高く評価する。
「彼らが落伍したのはぐうたらで働きがないという欠点にも依るのだけれども、見ように依っては市井の仙人とでもいうべき味があって、過去はともかくも、そこまで到達した彼らに接すると、大悟徹底した禅僧などに共通な光風霽月の感じを受けることがある」
もちろん私はここまでの境地に達していないし、達観もない。
ただ、ばか正直で、億劫がり屋で、人見知りが強く、お世辞を言うことができず、世渡りが下手というだけなのだが。
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