橋本治②2019/02/05

橋本治氏へのインタビューを書きとめた取材ノートには、新聞記事が張り付けてある。

「タウン&キャンパス」というカットが付いているから、若者欄だろう。
その頃、どの新聞にも若者やヤング向けのページがあった。

皮肉っぽい、斜に構えた文体から、朝日新聞だろう。

「幼児語で怪講演」という見出しだ。

橋本治さんといえば、十二年前の東大闘争のとき「止めてくれるなおっ母さん、背中のいちょうが泣いている」の名コピーを生んだ人。最近ではそれよりあの小説『桃尻娘』の著者。その彼が先日、東京で講演会を開いた。
演題は「世界の構造と言語の発生について」というクソオソロシイ?もの。にもかかわらず会場は三百人の若い女の子たちでいっぱい。もっともゲストのロックグループ・パンタ&HALのせいだったかもしれないが。
スター・ウォーズのメロディーに乗って橋本さんは現れた。よれよれ、シワシワの背広姿で。「……んと、んと、んとね」という個性的な幼児語で、人間と言語について、まさしく論理的、原理的に語ったために、それは一層、知的で、不可解な話となった。
その中で彼はいっていた。
「人間の欲望の根元にあるのは幼児なのだから、ぼくは幼児語を使うのだ」と。
このひと近々、「日本語教室」を開講するという。<以上、全文>

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