ブログに書評出ました③ ― 2011/11/24
翠香さんという方が書評を書いてくれました。
なんとFC2のブログでミステリーランキング1位、読書ランキング1位と書いてありますね!
http://mysteryloveknot.blog65.fc2.com/blog-entry-517.html
これまでで一番辛口ですが、とても参考になりました。
リンクを張るだけでなく、原文を引用してみます。
(以下引用)
この物語は、太宰治が起こした(最初の)心中事件から端を発しています。
太宰だけが生き残り、道連れにした女給の花ちゃんだけが死んでしまう。
女給仲間が花ちゃんは殺されたのだと林芙美子に訴え、
芙美子自身、女給の経験があったので、「女給の名誉のために」と立ち上がります。
実在の作家を登場人物に据えているところがユニークですね。
太宰治の『富嶽百景』を中学生の頃に読んだのですが、
子供心に随分ひねくれた考えを持っている人だなと思いました。
太宰は厭世観の塊のような人で、3回も心中事件を起こしています(うち1件は未遂)。
死にたきゃ勝手に一人で死ねばいいのに、一人では死ねないのが意気地がないというか(苦笑)
まあなかなかの色男だったようで、お馴染みの頬杖をつくポーズがアンニュイで
当時の女性たちが放っておけなかったのでしょうかねぇ。
いったい何人の女性に「一緒に死んでくれ」って言ったのだろう(^^;)
巻末に挙げられている参考図書が物凄い数だったので、史実に基づいて書かれた作品だと思われます。
林芙美子さんは、随分と勇ましい女性だったようですね。
さすがに探偵の真似事まではしなかったでしょうけど(笑)
それでも太宰に会った時にはチクチクと辛らつなことを言ったりしたのかもしれませんね。
本作は、昭和のはじめから芙美子が亡くなった昭和26年までの出来事が描かれていますが、
やはり当時の女性の地位は低かったのだなとひしひしと感じました。
芙美子は今の時代に生まれていたら、もっとバリバリ活躍していたのだろうなぁ。
太宰や芙美子だけでなく、織田作之助や川端康成、井伏鱒二などたくさんの作家たちが登場します。
現存の作家さんの作品でも、素顔が垣間見えるあとがきを読むのが楽しみのひとつなので、
当時の文豪たちが生き生きと動き回るさまは、今まで作品を通してでしか知りえなかった
作家さんの素顔が見られた気がして、楽しめました(^^)
また、ちょっとした文学案内にもなりそうですね。
ただ、内容が少し大人向けなので、中高生にはおススメできません(^^;)
唯一残念だったのが、太宰から人格が乖離した大庭葉蔵という生霊を存在させたこと。
(ちなみに大庭葉蔵というのは太宰の『道化の華』の主人公の名前です)
史実と虚構を上手く絡ませた作品であるのに、もったいないと思いました。
どうせなら太宰が多重人格で、太宰の別人格が動き出すとした方がリアリティがあってよかったかも。
(以上)
特に最後の部分。太宰を多重人格にした方がよかった、という意見。なるほど、それもいいね!と思いました。
ただ、大庭葉蔵が太宰治とともに消滅してしまっては、あのエピローグが生きないんですよ。
あのエピローグは気に入っているので譲れません(笑)。
川端康成が、林芙美子の葬儀であのような謎のあいさつをしたのは事実です。
その謎にあそこで作者なりの決着を付けているわけです。
でも、翠香さんのご指摘はうれしいものでした。どこかがいずれこの本を文庫にしてくれるときには、加筆修正の参考にしたいと思います。
でも、そのためにはこれが売れないことには…。
なんとFC2のブログでミステリーランキング1位、読書ランキング1位と書いてありますね!
http://mysteryloveknot.blog65.fc2.com/blog-entry-517.html
これまでで一番辛口ですが、とても参考になりました。
リンクを張るだけでなく、原文を引用してみます。
(以下引用)
この物語は、太宰治が起こした(最初の)心中事件から端を発しています。
太宰だけが生き残り、道連れにした女給の花ちゃんだけが死んでしまう。
女給仲間が花ちゃんは殺されたのだと林芙美子に訴え、
芙美子自身、女給の経験があったので、「女給の名誉のために」と立ち上がります。
実在の作家を登場人物に据えているところがユニークですね。
太宰治の『富嶽百景』を中学生の頃に読んだのですが、
子供心に随分ひねくれた考えを持っている人だなと思いました。
太宰は厭世観の塊のような人で、3回も心中事件を起こしています(うち1件は未遂)。
死にたきゃ勝手に一人で死ねばいいのに、一人では死ねないのが意気地がないというか(苦笑)
まあなかなかの色男だったようで、お馴染みの頬杖をつくポーズがアンニュイで
当時の女性たちが放っておけなかったのでしょうかねぇ。
いったい何人の女性に「一緒に死んでくれ」って言ったのだろう(^^;)
巻末に挙げられている参考図書が物凄い数だったので、史実に基づいて書かれた作品だと思われます。
林芙美子さんは、随分と勇ましい女性だったようですね。
さすがに探偵の真似事まではしなかったでしょうけど(笑)
それでも太宰に会った時にはチクチクと辛らつなことを言ったりしたのかもしれませんね。
本作は、昭和のはじめから芙美子が亡くなった昭和26年までの出来事が描かれていますが、
やはり当時の女性の地位は低かったのだなとひしひしと感じました。
芙美子は今の時代に生まれていたら、もっとバリバリ活躍していたのだろうなぁ。
太宰や芙美子だけでなく、織田作之助や川端康成、井伏鱒二などたくさんの作家たちが登場します。
現存の作家さんの作品でも、素顔が垣間見えるあとがきを読むのが楽しみのひとつなので、
当時の文豪たちが生き生きと動き回るさまは、今まで作品を通してでしか知りえなかった
作家さんの素顔が見られた気がして、楽しめました(^^)
また、ちょっとした文学案内にもなりそうですね。
ただ、内容が少し大人向けなので、中高生にはおススメできません(^^;)
唯一残念だったのが、太宰から人格が乖離した大庭葉蔵という生霊を存在させたこと。
(ちなみに大庭葉蔵というのは太宰の『道化の華』の主人公の名前です)
史実と虚構を上手く絡ませた作品であるのに、もったいないと思いました。
どうせなら太宰が多重人格で、太宰の別人格が動き出すとした方がリアリティがあってよかったかも。
(以上)
特に最後の部分。太宰を多重人格にした方がよかった、という意見。なるほど、それもいいね!と思いました。
ただ、大庭葉蔵が太宰治とともに消滅してしまっては、あのエピローグが生きないんですよ。
あのエピローグは気に入っているので譲れません(笑)。
川端康成が、林芙美子の葬儀であのような謎のあいさつをしたのは事実です。
その謎にあそこで作者なりの決着を付けているわけです。
でも、翠香さんのご指摘はうれしいものでした。どこかがいずれこの本を文庫にしてくれるときには、加筆修正の参考にしたいと思います。
でも、そのためにはこれが売れないことには…。
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