横穴の装飾に感激2024/03/17

横山古墳の双脚輪状文2024/03/17

熊本の春の装飾古墳一斉公開に行ってきた。

チブサン古墳→オブサン古墳→鍋田横穴→岩原双子塚古墳→横山古墳→岩原横穴→長岩横穴→江田船山古墳と回った。

横山古墳には、彩色画のスター、双脚輪状文がある。
これまで見た弘化谷古墳、王塚古墳のそれははっきりしなかったが、横山古墳のはよく見えた。

特に左袖石の双脚輪状文はけっこうくっきりしている。
右袖石も肉眼では見えた。

しかも写真撮影OKはありがたい。

靫の擬人化2024/03/06

装飾古墳の絵の中で、靫(ゆぎ)への執着がすごい。
靫とは矢を入れる道具。
もちろん戦場では重要だろうが、弓や大刀より熱心に描く理由がよく分からない。
たとえば王塚古墳は靫の絵で埋め尽くされている。


靫は石人にもなる。
たとえばチブサン古墳の石人がそうだ。
靫が擬人化されているのだ。


X(旧ツイッター)の古墳王子の投稿で、見事な靫の埴輪を見た。
本庄早稲田の杜ミュージアムにあるらしい。
古墳王子が「靫形埴輪4姉妹」と名づけているように、これも靫の擬人化だ。



貝の仮面もあるでよ2023/11/04

管玉にどうやって穴を開けたのか2023/11/04

今日は研修で熊本城に行った。

昼食休憩時に一人熊本博物館へ。このような展示があった。

以前から管玉(勾玉も)に古代の人々はどうやって穴を開けたのかが分からない。

「管玉の穿孔技法」とあるので大いに期待を持って見た。

孔(穴)の形には円柱形と円錐形があって、これは穿孔に使用する工具が違うことを示している、とある。

ところが、肝心のその工具がどのようなものだったか、については何も示されていないのだ。謎のままだ。

直弧文について2023/05/16

直弧文について、熊本県立装飾古墳館にあった説明である。

ここには、岡山県楯築(たてつき)弥生墳丘墓の特殊器台や弧帯文石に描かれた文様が直弧文の源流だろうと書かれている。

この写真はピントが甘くてよく分からないので、次の文書で鮮明な文様を見てほしい。

https://www.city.okayama.jp/kurashi/cmsfiles/contents/0000005/5424/000361489.pdf

確かに驚嘆する複雑な文様である。

しかも、この楯築弥生墳丘墓の近くには有名な造山古墳(全国4位の大きさ)があって、その陪塚の一つに直弧文で有名な千足古墳がある(写真下部参照)ので、デザインが受け継がれていったとみてほぼ間違いないだろう。

江田船山古墳出土の銅鏡②2022/12/18

江田船山古墳出土「神人車馬画像鏡」の「四夷服多賀国家」の銘文をどうしても見たい。

しかし、和水町歴史民俗資料館で撮った12/3付「江田船山古墳②」の写真をアップにしても、そもそも銘文がありそうなところはつるんとして文字など見当たらない。

おかしい…この鏡じゃないのか。

もしかしたらこれはレプリカだから省略しているのかもしれない、本物は東京国立博物館所蔵だからその画像はないか見てみよう。

https://emuseum.nich.go.jp/detail?&langId=ja&webView=&content_base_id=100199&content_part_id=2

やっぱりそうだ。本物(東博は単に「画像鏡」としている)にはちゃんと銘文があった。

拡大機能があるので、目いっぱい拡大して見てほしい。

「鏡」からはっきり読める。
普通は「竟」と略すことが多いのだが、江田船山はきちんと「鏡」の文字を使っている。

四夷多賀國家人民息胡慮…

定型は「四夷服」だが「服」の字がない。
意図的なのか、ミスなのか。

略しても「四方の夷狄が多(大)いに国家を賀す」と意味は通じるので、意図的かもしれない。面白い。

やっと本物に出会えて、胸のつかえが下りた。