装飾古墳に潜る! ― 2024/01/28
Xで古墳好きをフォローしていると、小さな開口部から腹ばいで石室に潜らないと本物じゃないような気になってくる。
お隣の筑前町に、砥山(とやま)観音塚古墳という、石室に自由に入って見られる稀有な装飾古墳があるとXの投稿で知った。
近くにいながら今まで知らなかった。
おそらく石室へのイタズラを恐れて積極的には広報されていないのだろう。
大好きな装飾古墳なら行かねばなるまい。しかも古墳探訪に適した、虫の出ない今だ。
猿や猪が出る恐れはあるが、傘があれば何とか戦えるだろう。
砥山岳への山道を片道30分ほどかかるらしいが、まあ何とか歩けるだろう。
行ったのは1月4日。報告がだいぶ遅くなってしまった。
砥山神社に車を停めて、山道の入り口まで来たところで傘を忘れたのに気づいた。
うーーん、猿・猪と戦えないが、戻るのは面倒くさい。
そのまま進むと麓の分岐点に山登り用の杖が置いてあった。
助かる‼
それから30分余り、思ったよりきつかったが、ひーこら言いながら何とかたどり着いた。
さて、入り口は?と…

思ったより小さい!
180センチ、76キロの体が入るかな。
しかし、ここまで来たんだ。行かねばなるまい。
頭から果敢にダイブ❕❕
案内板を拡大してもらえば分かるが、この古墳は前室・中室・後室の三室構造。
上の写真は中室から後室をのぞんだところだ。
右の袖石にも装飾がある!
でも、後室奥壁が早く見たい!
おお、素晴らしい!
ドア越し、ガラス越しには何度も装飾古墳を見たことがあるが、さえぎるものもなく自らの力で前に立つのは初めてだ!
しかし「上ノ」という大馬鹿が落書きしてる…
それを目に入れないようにして観察し、写真を撮る。
船の絵が多い。
これは船団を組んで朝鮮半島に行ったということではないか?
気が済むまで見て、名残惜しくも石室を後にする。
再び30分かけて山を下りる。
念願のナマ装飾古墳は楽しかったが、この代償は大きかった。
往復1時間以上の山登り(沢登り)と石室への潜り込み。
変なところに力が入ったのか、翌朝、パンを食べているときに何か大きな硬いものを噛んだと思ったら奥歯が傾いて倒れた!
その日は博物館の展示解説ボランティアだったのでそのまま行ったが、香港からの大学生10人余りに解説している最中に、奥歯が取れて口の中に転がった。
幸いマスクをしていたので口に奥歯を含んだまま解説を続け、次に移動するときにそっと口から手に取ってポケットに入れた。
取れたのは奥歯そのものではなく、奥歯のかぶせものだった。
それから歯医者に3回通い、かぶせ直したのだった。
さらにもう一つ。
お気に入りのシチズンの電波腕時計が動かなくなった。
太陽電池なので日に当てないと止まるのだが、いくら日なたに置いていても針がピクリともしない。
古墳で湿気や変な菌が時計に入ったに違いない。
石室に潜る代償がこんなに大きいとは。
やはりお墓に入らせてもらうのだから、今度から何か〝おはらい〟的なことをしてから行うこととしよう。
砥上神社の案内板に興味深いことが書いてあった。
「伝承によれば、神功皇后が新羅出兵の兵士をここに集め、『中やど也』と語り、また、兵器を研がせたのでこの地を『砥上』と言うようになったという」
「(旧)町名の『やす』は、神功皇后がまつろわぬ在地の豪族・羽白熊鷲を滅ぼして『わが心すなわち安し』(日本書紀)と語ったことに由来する」
確かに砥山岳の森(杉が主体)は、羽白熊鷲が出てきそうな森であった。
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