石原慎太郎について少し2022/02/01

石原慎太郎が亡くなった。

私にとっても彼の影響は少なくない。

『「NO」と言える日本』(1989)は読んだのかどうか…。
はっきり覚えているのは『国家なる幻影 わが政治への反回想』(文藝春秋1999、 文春文庫は2001年)だ。
大きな影響を受けファンになった記憶があるが、本棚には『亡国の徒に問う』(文春文庫)の第7刷(2000年)しか見当たらない。

いずれにしろ、朝日新聞やNHK、共同通信の論調からはみ出すことのない地方新聞に26年余も勤めて、左傾することから免れたのは、石原慎太郎のおかげだったと言っていいかもしれない。

『亡国の徒に問う』をぱらぱらとめくってみると、「南京事件」についての記述が目にとまった。
私がこれまで研究テーマにしてきた林芙美子にも触れている。

「南京へは事件当時も事件後も日本の代表的文人だった林芙美子、石川達三、大宅壮一といった人たちが報道班員として行っています。彼等が筆を控えなくてはならぬ状況などなかった戦後においても誰一人、南京での未曽有の出来事について記していない。『生きてゐる兵隊』を書いて軍部に睨まれた前歴さえある石川氏に生前南京事件について質したことがありますが、氏が吐き出すように、『あれは訳のわからん話だなあ』と慨嘆したのが今でも印象に残っています」

石川達三と南京事件については、拙著『花に風』に詳しく書いたので是非そちらを読んでいただきたい。

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