頭の中で会話を済ませてしまう症候群2022/01/17

NHKの「チコちゃんに叱られる」は、土曜午前の再放送でたまたま見ることがある。15日もそうだった。

テレビをつけた時は、もう番組のメーンの質疑応答バトルは終わって、ゲストの安藤サクラが岡村隆史に何やら相談するコーナーになっていた。

安藤は、人が大人数でわいわいやっているとき、「話の輪に入れない」というのだ。

ここでまず私は、あー、自分と同じだと思った。
さらに続きが私にとってある意味、衝撃的とも言っていい内容だった。

安藤は、自分が話に入れない間、「自分の頭の中では皆と会話している」というのだ。
つまり、相手がこう言って、それに自分がこう答えて、と頭の中で組み立てているわけだ。

だから、やっと機を見て発言したとき、実際に進行している会話と、自分の頭の中で進行している会話は違うわけだから、皆は「は?」とびっくりするというのだ。

私と全く同じ問題について語られるのを初めて聞いた。

私も人との会話をあらかじめ頭の中でシミュレーションする癖がある。
その結果、結論だけを言ってしまって、相手は「?」となって伝わらず、こちらはどうして伝わらないのかといらいらし、人との会話を避けるようになってしまう。

安藤は笑って話していたが、彼女にとっては結構深刻な悩みなのだろうと推察した。
そのあたりをもっと深く知りたいと思うが、とりあえずウィキペディアには「女優という職業については、普段思ったことや感じたことを言葉にするのが苦手で、だからこそ脚本や監督があって身体を使って表現する職業に興味があるのかもしれないと明かす」とあった。

この「普段思ったことや感じたことを言葉にするのが苦手」で、私は会社でのハラスメントに反駁も弁明もせず、会社勤めがうまくいかなくなった。退職の最大の理由だ。
だから人生を左右する深刻な問題なのだ。

安藤サクラが初めてと書いたが、以前といってももう大分前になるが、白人女性(確かアメリカ)で、高名な学者でありながら、人と雑談や日常会話ができないという人がいるのを知った。

これは教育テレビの放送テキストを書店で見て、あっと思ったものだった。
そのテキストを買っておかずに後悔している。

以来ずっと探し求めていて、NHKにも問い合わせたが、「それだけでは分かりません」とすぐに返信が来て、親身になって捜した様子もなく不親切だと思った。

誰かこの女性学者の名を知りませんか?

思うに、世の中にはどうでもいい話をだらだらといつまでもしゃべっている人がいるが(それを世間話というのだろう)、我々はそういう話は頭の中で終わっているから、ぺちゃくちゃとお喋りを楽しむなんてことができないのだ。