福岡市の葦書房2011/07/15

福岡市では最も有名と聞く、古書の葦書房に行ってみた(出版社の葦書房とは全く関係ないそうだ)。

かつて九大があった時代に、自分も大学生のときだからはるか昔だが、行った覚えのある六本松。

当時はなかった地下鉄七隈線の六本松駅で降りる。

駅から左に出て、右にカーブする道を行けばあるはずだったが、けっこう何叉路も錯綜していて、迷った。

やっと見つけたそこは、昔ながらの古本屋の店構え。

入り口の百均棚で、ミステリマガジンの300号記念増大号をゲット。
400号記念特大号と401~403記念号を持っているので、合わせてさらに価値が増すのでは、というもくろみ。

店内も昔ながらだが、雑然とすることなく整頓してあるので本が見やすい。じっくり見ることができた。

普通の古本屋と違うのは、修復部門みたいなものを持っているらしく、店内の一角と別部屋でなにやら古文書かなんかの修復作業をしていた。

店内ではロープシン著、工藤正広訳の『蒼ざめた馬』(晶文選書、1967年)を発見。絶版、1500円でちと高いが、買うことにした。
林芙美子の初詩集のタイトル『蒼馬を見たり』は、この本から来ているに違いないので、読みたいと思ったからだ。

ま、なかなかいい古本屋である、と満足して帰った。
…のだが!
帰ってからアマゾンで調べると、くだんの『蒼ざめた馬』と同じ物がなんと9円で出ていた。
がっくり。。。古本屋のオヤジがこれを買ったときになんとなくほくそ笑んだのは、気のせいじゃなかったのだ。

やられた。まだまだ、修行が足りない。
「せどり」の若者たちは携帯でアマゾンの値段を見ながら買うというが、確かにそれなら失敗がないよな~。
当方、携帯サイトを見る習慣がないし、もし見れたとしてもブックオフならともかく、こんな小さな古本屋の店内でやるわけにはいかないだろう。

目利きになるしかないのだ。

そして、六本松から迷い迷い、
薬院大通駅までひたすら歩いた。

書肆侃々房という出版社がやっている、Read Cafe という店に、
足を棒にしながらやっとたどりついた。

ここも寛げて、いい店だった。
店内に書肆侃々房の本や、古本が並んでいる。

古本の中で、吉増剛造の『スコットランド紀行』に惹かれた。
買えるらしく、3000円と書いてあった。
迷ったが、ネットで探せばもっと安いだろうと我慢した。

ところが、帰ってから検索してみると、アマゾンにはこの本がない。
そういえば、書肆山田というところの本で、縦長の判型で箱に入っているという、いかにも私家版のつくりだった。

スーパー源氏で見ると、まさに店と同じく3000円。
『蒼ざめた馬』を買わずに、『スコットランド紀行』を買うべきだったのだ。
失敗×失敗。

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