今日のひとこと ― 2021/08/15
山岡荘八
私がここで特にハッキリさせておかなければならないと思うことは、近代戦争に敗れた近代国家の形をした日本が、ギリギリのところで縋(すが)ったものは、決して近代的な智恵や方策ではなかったことだ。それらは日本を救う何の手がかりにもならなかった。
「――これはもはや、われわれの手には負えなくなった。ここではひとまず国体に回帰しよう」
すなわちわれわれは大和民族の生命的な中心であり、帰一点である天皇のご意志に従おうとなったのだ。
この事はまことに虫のよすぎる考え方だ。開戦のおりに、天皇のご意志が、それほどきびしく尊重されていたであろうか……? ガダルカナルの苦戦のおりに、陛下に避暑をおすすめして叱られたのは誰であったろう……?
鈴木内閣の本質はこうした大和民族ギリギリの窮迫状態において、迷いぬいた揚句にたどり着いた、古いわが家の門口であったのだ。
~『小説太平洋戦争』(講談社文庫)第8巻 p.20-21
私がここで特にハッキリさせておかなければならないと思うことは、近代戦争に敗れた近代国家の形をした日本が、ギリギリのところで縋(すが)ったものは、決して近代的な智恵や方策ではなかったことだ。それらは日本を救う何の手がかりにもならなかった。
「――これはもはや、われわれの手には負えなくなった。ここではひとまず国体に回帰しよう」
すなわちわれわれは大和民族の生命的な中心であり、帰一点である天皇のご意志に従おうとなったのだ。
この事はまことに虫のよすぎる考え方だ。開戦のおりに、天皇のご意志が、それほどきびしく尊重されていたであろうか……? ガダルカナルの苦戦のおりに、陛下に避暑をおすすめして叱られたのは誰であったろう……?
鈴木内閣の本質はこうした大和民族ギリギリの窮迫状態において、迷いぬいた揚句にたどり着いた、古いわが家の門口であったのだ。
~『小説太平洋戦争』(講談社文庫)第8巻 p.20-21
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