「日本の戦争」を知る5冊2022/02/11

今日は建国記念日である。

ツイッターを見てると、従来批判されてきた朝日新聞や毎日新聞のみならず、神奈川新聞や東京新聞とか地方紙記者の劣化が激しくて黙っていられない。

その反日姿勢、歴史認識についてである。
全くもって勉強不足なのだ。

しかし、これは必ずしも記者たちだけのせいだけではないだろう。

昭和史の権威者として世上に流布している保阪正康や半藤一利、司馬遼太郎らの影響が大きいと思われる。
何しろ書店に行けば彼らの本がずらりと並んでいるのだから。

彼らの問題点はいわゆる自虐史観であるだけではなく、事実誤認が多いこと。ミスリードされる危険性が非常に高い。はっきり言って、読むのは時間の無駄だ。

私が強く推す本は以下の5冊だ。

①平泉澄『日本の悲劇と理想』(錦正社)
②山岡荘八『小説太平洋戦争』(講談社文庫で全9巻)
③吉田満『戦艦大和ノ最期』(講談社文芸文庫)
④吉田満『戦中派の死生観』(文春文庫)
⑤山本七平『一下級将校の見た帝国陸軍』(文春文庫)

①の平泉澄は戦前・戦中、東京大学教授として皇族や軍人、政治家との付き合いが深く、政権中枢をよく知る人物である。

②はタイトルに〝小説〟と付いているが、フィクションという意味ではない。人物の内面まで描くためで、山岡は戦時中、従軍作家として活躍し、戦場を自分の目で見ている。一貫して一兵卒を称賛し、指導者たちを弾劾している。

面白いのは平泉澄は銃後にいて、山岡は戦場を飛び回っていたわけだが、認識が不思議なほど一致していることだ。

戦争はアメリカに仕掛けられた、これが第一点。

そして緒戦の大勝利の後、日本は油断し切った。
大本営は相手(主にアメリカ)をなめ切った作戦を繰り返している。
兵士は戦場に到着する前に海の藻屑と消えた。
当時の指導者たちがあまりに兵隊たちの命をないがしろにしたのは事実である。これが第二点である。

③④⑤の吉田満、山本七平は実際に戦闘に参加して、そうした理不尽な目に遭い、奇跡的に生還した人たちだ。

こうした〝真実の本〟を読めば、日本は侵略戦争をやった、いや、アジアの解放戦争だったとかいう善悪二元論は事実とは異なることが分かる。

Ⅰ太平洋戦争はアメリカに仕掛けられた。
 (日中戦争でもアメリカは中国=蔣介石政権を支援していた)
Ⅱ日本は作戦の失敗であまりに多くの兵士を犠牲にした。

この二つが事実であって、それ以上でも以下でもない。

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