「トップリーグ」感想(続き) ― 2017/11/14
相場英雄「トップリーグ」について、テーマがロッキード事件児玉ルートの裏金では、古臭くて魅力がないと書いた。
登場人物の一人がいみじくも言うように、「たかだか残高十五億円の萎(しぼ)み切った裏金」でしかない。
政界内幕ミステリーにしては、驚きがないのが難点だが、ところどころ読み手の胸に突き刺さる言葉はある。
裏金をひそかに使い込む、議員秘書の西牟田という男。
週刊誌記者の酒井の追及に対し、
「三〇年以上も政治の裏世界にどっぷり浸かった。この歳では転職も無理だし、他の世界で生きる術(すべ)を知らない」「そうだ。これ以外の仕事を知らん」
と胸中を吐露する。
追及する酒井も、大手新聞の政治部を辞め、ジャーナリズムの底辺で這いずり回る男だ。
さらに言えば、著者の相場自身、時事通信社経済部記者を辞めて、難儀な小説家の世界で生きている。
悪事に手を染めても仕事にしがみつく人間と、会社をあっさり辞めたはいいが辛酸を舐める人間。
どちらもどちらだ。人生の裏表。違いはない。
私事になるが、高校の同窓会で旧友に「お前、何をして食っちょっとよ」と問われ、小馬鹿にされた気がして少々傷ついた。
還暦になっても、会社を辞めたらこんなことを言われ続けねばならないのか。
(ちなみに旧友は建設会社の二代目社長なので会社を辞めることは絶対にあり得ない)
会社にただ毎日通うことを、人は働くことだと思っている。
大したことをしているわけではない。
額に汗して何かを生産しているわけではない。
上司の言うとおりに仕事するふりをしたり、あるいはやり方を変えようと試みたり、いじめたり、いじめられたり、不倫したり、毎日を過ごしている。
先輩がよく言っていた。
「新聞記者をやめたって、何じゃ出来んでや」
つぶしがきかないのは、その通りだろう。
仕事にしがみつくほうが、きっと生き方としては正しい。
いや、でも社畜にはなりたくなかった……早期退職者は自問自答を続ける。
悔しいから、他人が退職する還暦の今から死ぬまでばりばり働いてやる~
仕事をくれ~!!!
登場人物の一人がいみじくも言うように、「たかだか残高十五億円の萎(しぼ)み切った裏金」でしかない。
政界内幕ミステリーにしては、驚きがないのが難点だが、ところどころ読み手の胸に突き刺さる言葉はある。
裏金をひそかに使い込む、議員秘書の西牟田という男。
週刊誌記者の酒井の追及に対し、
「三〇年以上も政治の裏世界にどっぷり浸かった。この歳では転職も無理だし、他の世界で生きる術(すべ)を知らない」「そうだ。これ以外の仕事を知らん」
と胸中を吐露する。
追及する酒井も、大手新聞の政治部を辞め、ジャーナリズムの底辺で這いずり回る男だ。
さらに言えば、著者の相場自身、時事通信社経済部記者を辞めて、難儀な小説家の世界で生きている。
悪事に手を染めても仕事にしがみつく人間と、会社をあっさり辞めたはいいが辛酸を舐める人間。
どちらもどちらだ。人生の裏表。違いはない。
私事になるが、高校の同窓会で旧友に「お前、何をして食っちょっとよ」と問われ、小馬鹿にされた気がして少々傷ついた。
還暦になっても、会社を辞めたらこんなことを言われ続けねばならないのか。
(ちなみに旧友は建設会社の二代目社長なので会社を辞めることは絶対にあり得ない)
会社にただ毎日通うことを、人は働くことだと思っている。
大したことをしているわけではない。
額に汗して何かを生産しているわけではない。
上司の言うとおりに仕事するふりをしたり、あるいはやり方を変えようと試みたり、いじめたり、いじめられたり、不倫したり、毎日を過ごしている。
先輩がよく言っていた。
「新聞記者をやめたって、何じゃ出来んでや」
つぶしがきかないのは、その通りだろう。
仕事にしがみつくほうが、きっと生き方としては正しい。
いや、でも社畜にはなりたくなかった……早期退職者は自問自答を続ける。
悔しいから、他人が退職する還暦の今から死ぬまでばりばり働いてやる~
仕事をくれ~!!!
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