朝日新聞の姑息な謝罪2018/10/06

「正論」11月号で、衆議院議員秘書の嘉悦彩さんが、8月の人種差別撤廃委員会の報告を書いている。

慰安婦問題について日本政府に勧告が出た結果は残念だったものの、外務省の主張は予想より踏み込んだものだったという。

主張の中で、朝日新聞に触れた部分。

「慰安婦問題が注目されるに至った経緯は特に、故・吉田清治氏が虚偽の事実を捏造して発表し、日本の大手新聞社の一つにより、事実であるかのように大きく報道され、国際社会にも流布された。しかし、これは後に想像の産物であったことが証明されている。この新聞社も後に事実関係の誤りを認め、読者に謝罪している。この事実・経緯については十分知られていない」

では、朝日新聞が事実関係の誤りを認めた、2014年8月5日の歴史的紙面を見てみよう(『月刊Hanadaセレクション』から、写真はクリックで大きくなります)。

見開き特集の、新聞の折り目に当たるところの、最下段。一番目立たない場所にそれはある。

【読者のみなさまへ】
吉田氏が済州島で慰安婦を強制連行したとする証言は虚偽だと判断し、記事を取り消します。当時、虚偽の証言を見抜けませんでした。済州島を再取材しましたが、証言を裏付ける話は得られませんでした。研究者への取材でも証言の核心部分についての矛盾がいくつも明らかになりました。

これは縮刷版で確認するとき、一番見づらい場所だ。
実に姑息だ。

「正論」同号の対談で、現代史家の秦郁彦氏が気になる指摘をしている。
「慰安婦問題が『ビジネスになる』という側面を見逃してはならないと思います。マスコミが自虐派に便乗するのも、ビジネスだと割り切っているのでしょう。朝日新聞が長年、吉田清治を切り捨てられなかったのもビジネスだったことが一因だったと、私は考えています」

秦氏が慰安婦問題を「ビジネスだ」とする意味ははっきりしないが、私なりに解釈すれば「慰安婦問題で騒いでいれば、飯が食える」ということだろうと思う。

新聞社が毎日の紙面づくりをする上において、最も頭を悩ますのは、一面トップに何を持ってくるか、だ。

雑魚のようなニュースはいくらでもある。
しかし、「新聞の顔」である一面をどーんと派手に飾ってくれるニュースはそうそうあるもんじゃない。

大きな事件や事故、災害が起こってくれればいい。
なければ、自分たちで作るしかない。

朝日新聞が誤報・虚報を繰り返す、構造的な要因はそこにある。

この2年間、朝日新聞の編集局幹部は「モリカケ」には助けられたと思う。

「モリカケ」関連なら、なんでも一面。悩まなくていい。
結果的には誤報で構わないのだ。毎日、一面を飾ってくれさえすれば。

2年間も「飯が食えた」。それがどんなに有り難いか。
慰安婦問題に至っては、1991年から2014年まで、23年も飯が食えたのだ!
社長が頭を下げて会見するくらい屁でもない。
日本がどうなろうと構わない。
世界中に慰安婦像が建とうが知らない。それをまた書くだけだ。
嘘でも毎日の紙面が恰好がつけばいい。

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