「平泉澄を読む会」をやりたい2020/11/01

日本の正しい歴史を知るには、百田尚樹『日本国紀』でも竹田恒泰『天皇の国史』でもない。
平泉澄『物語日本史』だ‼

来年は「平泉澄を読む会」を福岡か鹿児島か、あるいは両方でやりたい。
入会条件は『物語日本史』を一度は通読し、平泉史観を支持し学びたいと思っていること。

私が指導するわけではなく、みんなで読み進める形。
だから無料。場所代の負担だけ。
月一回程度。

賛同者・希望者は左のバーの「メールはこちらへ」からメールしてください。

【速報】城山ホテル鹿児島の2ショップに本が置かれます2020/11/02

鹿児島市の城山ホテル鹿児島の2つのショップで、拙著『花に風』を販売していただけることになりました。

3Fの「Souvenir Shop Shiroyama 逸品館」と、4Fの「さつまブランドギャラリー」です。

同ホテルには林芙美子文学碑があります。写真の景色です。
城山も桜島も林芙美子と深い関係があり、まさに打ってつけのロケーションです。
末永くよろしくお願いいたします!

今ならGoToトラベルで城山ホテル鹿児島に泊まって、地域共通クーポンで本を買うことができますよ!

戦争画はルネッサンスだった2020/11/11

一番好きな画家は藤田嗣治。
いつの時代もいいが、中でも戦争画(戦争記録画)に最も関心がある。
それについて8日(日)、福岡市美術館で同館学芸係長の話と、RKBが1981年に制作したドキュメンタリー「絵描きと戦争」の上映があった。
戦争画なんて時代の徒花(あだばな)として見向きもされず研究もあまり進んでいないが、驚いたのはドキュメンタリーの中で一人の画家と一人の評論家が口をそろえて「戦争画はルネッサンスだった」と言ったことだ。
言葉は正確には覚えていないが、日本の油絵はずっと西洋の模倣、影響下にあったが、戦争画によって初めて本物のリアリズムになったという趣旨だったと思う。
言われてみればあり得ないことではない。
戦争画は一般に思われているようにプロパガンダではなかった。
学芸係長が語っていたが「日本が負けているシーンもけっこう描いている。事実を誇張している絵は意外とない。むしろ戦争の悲惨さを訴えているようにも見える」。
日本の画家たちが初めて時代と真剣に向き合って腕を磨いた結果、西洋の物真似から初めて脱し、敗戦後、日本の絵画が花開いたと考えてもおかしくない。目から鱗だった。

8日は講演と上映会で3時間余りあったので、10日再び福岡市美術館を訪れて常設展示まで見てきた。
すると関連企画として「藤田嗣治と関わった画家たち」という展示があった。面白かったのは鹿児島出身の二大巨匠の対照的な関わり方だ。
黒田清輝は美術学校で藤田を教えたが、授業で藤田の絵を悪い例として取り上げた。その後、藤田はパリに行ったが、そこでの絵画に衝撃を受け、黒田指定の絵具箱をたたきつけて壊したという。
一方、海老原喜之助は藤田と生涯にわたって交友があり、藤田の臨終をみとって、葬儀では君代夫人に代わって謝辞を述べたという。
ところで、藤田嗣治もまた林芙美子と接点がある。日中戦争の武漢攻略戦の際、従軍作家と従軍画家として出会っている。そのとき藤田が芙美子を描いた絵も残っている。詳しくは拙著で。

なぜマスコミはコロナは危険と騒ぐのか2020/11/20

日本のコロナの感染者、死者は欧米の百分の一以下だが、どうして毎日毎日マスコミは日本がとんでもない危機にあるように騒ぐのか。

実は、マスコミにとって仕事が楽だからだ。

マスコミの仕事で何が大変か。
取材? 原稿を書くこと?

いえ、違います。

ネタ探しです。

毎日毎日、一日も休まず、新聞でいえば一面、テレビでいえば、私はテレビの経験がないので何て言うんだろう、トップニュースか、それにふさわしいネタを探すのがどんなに大変か。

繰り返すが、毎日毎日だ。
そんなに都合よく一面トップを飾ってくれるような出来事が起こるはずがない。

だから記者は政治家に失言させようとしたり、中には朝日新聞のように慰安婦や靖国、強制連行を捏造して中国や韓国に言いつけて問題を起こそうとする。
その手法にたとえ問題があろうが、その日の紙面(特に一面ネタ)が作れればいいのだ。

だから、コロナみたいな出来事があるとマスコミは非常に助かる。
苦労してネタを探さなくても、コロナ関連なら一面に持っていけるし、ニュースや情報番組も簡単に作れる。

モリカケ(森友・加計問題)のときと全く同じだ。
ただ首相の働きかけがあったような推測だけで、結局何も出てこない、あんな下らない問題をマスコミは一年以上引っ張った。

心ある人は怒っていたが、私は別の見方をしていた。
ああ、マスコミはまた楽をしてるな、と。

モリカケについて適当なことを書けば、新聞の一面は埋まる。
テレビの報道番組は作れる。
ほかにネタを探さなくても、一年以上も楽をしたのだ。

コロナも全く同じだから、今後もマスコミは日本は抑え込みに成功しているからコロナをそれほど気にせず経済を回していけばいい、とは絶対にならない。
コロナ、コロナと当分騒ぎ続けるだろう。

だから、読者、視聴者も、ああ、マスコミはネタ探しが面倒だからコロナ騒ぎをやってるんだなと冷静に見たほうがいい。

マスコミが騒ぐときは楽してないか疑え。

もう一つ付け加えれば、「社会の分断」という言葉。
アメリカはもともと共和、民主の二大政党制だから、主張が対立するのはそもそも前提であり自明のことだ。
それをトランプ大統領が社会の分断を招いているように言うのは、見出しが簡単に済むからだ。

マスコミの取材部門で大変なのは、先に述べたネタ探し。
一方、編集部門で大変なのは、見出しを考えること。

世の中はぱっと見出しを立てられるほど、簡単に割り切れるものじゃない。
しかし、マスコミは見出しで言い切らなければならない。

だから私のようにああでもないこうでもないと迷うタイプは見出しをつける部署(新聞社なら整理部とか編集部)には向いていない。
「これはこういうことだろ」と割り切れる、大胆な人間が向いている。

トランプ大統領に「分断」というレッテルを張れば、毎回、見出しを考えなくていい。それだけのこと。
これもぜひ頭に入れておいてほしい。

柳美里さんが全米図書賞2020/11/20

柳美里さんが全米図書賞を取ったことが、一部で物議を醸しているようだ。
というのも彼女が反日的な言動で知られているからだ。

私は15年ほど前だろうか、新聞社の文化部デスクをしていた時に彼女に会ったことがある。
その頃は私もまだ〝嫌韓〟ではなく、彼女に対しても悪い印象は全くなかった。

もちろん今では、反日的な言動は許せない。

ただ、彼女の場合、それもまた、商売道具にしている感じが強い。

彼女は自分の恋人や子供をネタにしたり(つまりプライバシーの切り売り)、東日本大震災の被災地に移り住んだり、作家で居続けることに必死だ。

そこまでして作家を続けたいかと痛ましくも思うが、なまじ芥川賞なんか取ったばかりに意地があるんだろうなあ。

初めてきちんとした評価を頂きました2020/11/30

facebookで下川正晴さんが拙著を的確に評価してくれた。
埋め込み機能が使えなくなっているので、コピペします。

【引用開始】
明治〜昭和を、激しく生きた女、を調べ尽くす‼️
宮田俊行『花に風 林芙美子の生涯』(2020)は、芙美子への愛着と取材力が結実した力作である。旧知の元南日本新聞記者。元台湾総督・長谷川清を、芙美子が上海で訪ねた事実をFBで教えてくれた。
一気に読んだ。とても面白い。芙美子の生涯を通じて、日本近現代の襞が明瞭に浮かび上がるのである。芙美子の故郷・桜島の古里温泉が、かつて人気の温泉街であったと初めて知った。西南戦争、桜島大爆発、大空襲という三大惨事が、鹿児島市民に深刻な影響を与えたことが、本書でよく分かった。
僕も芙美子には少なからず関心がある。『放浪記』『浮雲』は映画(成瀬巳喜男監督)で見たし、原作も読んだ。下落合の元住居も訪ねた。真の意味のプロレタリア(貧者の)作家であると思う。
恋多き「かわいい女」の生涯と作品は、現代のme too小説が色あせて見えるほどだ。親友だった平林たい子と合わせて、再評価されるべきだ。抜群の目利きだった三島由紀夫が、芙美子の短編集を編んでいるという。是非読んでみたい。
【引用終了】

下川正晴さんは8つほど上の、同じ鹿児島県人。毎日新聞でソウル支局長などを務め、退職後の今、すごい勢いで取材・執筆活動に取り組んでいる。韓国や北朝鮮の映画に詳しいなど、私とは興味の対象が必ずしも一致するわけではないが、戦争への関心という点では共通する。
三年前に、かつて福岡県筑紫野市にあった二日市保養所を取り上げた『忘却の引揚げ史』を出された。満州などから引き揚げる途中、ソ連兵らに強姦された女性たちの中絶を担った施設である。
保養所跡での慰霊祭と、博多での関連行事で二回お会いした。