今日のひとこと ― 2021/08/18
桐壺院から朱雀帝への遺言
あなたには
帝(みかど)として
帝室千年の
栄えのために
努めてほしい
臣にも
民人にも
心くばりを
忘れずに
いままでに
変わらず
なにごとにも
源氏の大将と
計って
政事(まつりごと)を
行うように
~大和和紀『あさきゆめみし』(講談社)第3巻
この言葉、特に「帝として帝室千年の栄えのために努めてほしい」に感動したので、原文ではどうなっているのか、有名な訳二つで確認した。
與謝野晶子訳
「私が生きていた時と同じように、大事も小事も彼を御相談相手になさい。年は若くても国家の政治をとるのに十分資格が備わっていると私は認める」云々と、
円地文子訳
「私の世にある時と変らず、大小にかかわらず何事にも、あれを後見とお思いになるように、……」
いずれも、大和和紀訳の前段部分は存在しない。光源氏に対する言及だけだ。
つまり、これは作者大和和紀の意訳というか創作なのだ。
しかし著名な女流作家よりもずっと簡潔でいて、本質を突いて素晴らしい。
「帝として帝室千年の栄えのために努めてほしい」をどこから絞り出してきたのか、天才的だ。
あなたには
帝(みかど)として
帝室千年の
栄えのために
努めてほしい
臣にも
民人にも
心くばりを
忘れずに
いままでに
変わらず
なにごとにも
源氏の大将と
計って
政事(まつりごと)を
行うように
~大和和紀『あさきゆめみし』(講談社)第3巻
この言葉、特に「帝として帝室千年の栄えのために努めてほしい」に感動したので、原文ではどうなっているのか、有名な訳二つで確認した。
與謝野晶子訳
「私が生きていた時と同じように、大事も小事も彼を御相談相手になさい。年は若くても国家の政治をとるのに十分資格が備わっていると私は認める」云々と、
円地文子訳
「私の世にある時と変らず、大小にかかわらず何事にも、あれを後見とお思いになるように、……」
いずれも、大和和紀訳の前段部分は存在しない。光源氏に対する言及だけだ。
つまり、これは作者大和和紀の意訳というか創作なのだ。
しかし著名な女流作家よりもずっと簡潔でいて、本質を突いて素晴らしい。
「帝として帝室千年の栄えのために努めてほしい」をどこから絞り出してきたのか、天才的だ。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://restart.asablo.jp/blog/2021/08/18/9411724/tb
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。