ヒスイの加工2022/09/30

勾玉の形は、私にはカブトムシの幼虫のように見える。

専門家の小林達雄氏は違う。

「クマやオオカミの犬歯に似た形状の独特な勾玉は、縄文人が独自に発明した誇るべきカタチであり、ほかには世界のどこを探してもない」(『縄文の思考』)

ちょうど九州国立博物館に、クマの牙を縄文人が加工したアクセサリーが展示してある(写真の左)。確かに似ていると言えば言える。

しかし、重要なのは勾玉が何に似てるかではなく、世界のどこにもないということだ。

日本の博物館は、中国や朝鮮から渡来したものは必ずそれを書くが、日本独自のものはそれを書かない。

縄文土器然り、土偶然り、埴輪然り。

私がいつも腹に据えかねることである。

さらに、小林氏の前掲書によると、縄文人がヒスイに穴をあける技術たるや驚天動地である。9/23の写真を見てほしい。ごく当たり前に穴があけられているように見える。

ところが、「(ヒスイの)硬度は6・5から7というダイヤモンドの一歩手前というもので、これを彫琢、研磨し、しかも穿孔するのは大変である」

しかし、縄文人は「それを克服する技術を編み出した」。

「鳥の管骨あるいは乾燥させた笹や篠竹などの中空の錐を用意し、石英の粉末を研磨剤として活用することで、穿孔が可能となるのである」
「新技術の真骨頂は、軟らかい錐(管錐)は回転運動の機能だけであり、穿孔は管錐の回転運動によってヒスイに直接干渉する石英の硬さによって果たすというものである」

こんな驚くべき技術を編み出して、世界に比類のないヒスイの勾玉を生み出したのが縄文人(日本人)であることを、日本の博物館は決して来館者に知らせようとしない。

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