今日のひとこと(歌舞伎)2023/10/26

神田伯山

「歌舞伎ってサ、正直サ、眠くなる時あんじゃん。眠気との戦いみたいなところもあるじゃん、歌舞伎って」

~ラジコで「問わず語りの神田伯山」~

これ聴いてうれしかったねー。
実は歌舞伎で爆睡したことあって、恥ずかしくて誰にも言ったことなかった。

もう20年くらい前の話だけど、鹿児島で。

まだ歌舞伎ってろくに見たことなくて。
すると本に、歌舞伎が初めての人は襲名披露公演に行くといいって書いてあったのよ。
その理由は忘れたんだけど…。

そしたら鹿児島で、誰かの(それも忘れた)襲名披露公演があったのよ。
張り切って午前と午後の2回、チケットを取った。同じ中身なのに。
何しろ歌舞伎初めてだから2回くらい見ないと分かんないだろうと思って。

その頃、新聞社の文化部のデスクで、忙しくって忙しくって、ろくに休んでなかったんで、たまには息抜き・気晴らししようと思って、その日は休みを取って行ったんだ。

まず午前。公演が始まって間もなく眠くなって、いつの間にか前後不覚に。
そのときは割と後方の席だったんで、あんまり恥ずかしくなかったんだけど、午後はすごく前のいい席が取れていたんで、今度はしっかり見るぞと気合を入れた。

午後の幕が上がって、芝居が始まるとすぐに携帯がぶるぶる震えた。

その頃の携帯って、今みたいにドライブモードや機内モードなんてなくて、マナーモード(バイブ)しかなかったのよ。
で、電源切ってればよかったんだけど、マナーモードにしてた。

始めは無視しようと思ったんだけど、何度も何度もぶるぶる鳴るわけ。
そうなると、一応、デスクという責任ある立場にいるから、何か緊急事態かもしれないと思うじゃん。
役者にも近くの人にも悪かったけど、小さくすみません、すみませんと、会場の外に出たわけ。

折り返し電話してみると、相手は整理部長でさ、これがチビでハゲの男で、「別に急ぎじゃなかったんだけど、明日でもよかったんだけど」って用事でさ、腹が立って腹が立って、でも文句の一つも言えなくて。

しかもこのチビハゲは家に電話して私の携帯番号を聞いてるわけ。
うちの妻は私が会社を休んで歌舞伎に行ってるなんて知らないのよ。
妻からも疑われて、しどろもどろの言い訳。
席に戻ろうとしたら、芝居の途中では入れませんと止められるし。
もう見る気も失せて帰ったよ。

これが歌舞伎の初体験。
その後、もちろん歌舞伎には行っていない。
この嫌な思い出によって歌舞伎とは縁がないと結論付けたからだ。

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