北朝鮮舞台のミステリ小説 ― 2017/10/16
北朝鮮を舞台にしたミステリの名作が二つある。
いずれも外から見た北朝鮮ではなく、内部から描いているところが凄い。
一つは帚木蓬生の「受命」(角川文庫、平成21年)。
主人公の医師津村は北朝鮮から招へいされ、平壌の産院で働くことになる。
その過程で、北朝鮮の衝撃の実情が明らかにされていくが、特に印象的なところを列挙してみる。
1.共産主義国家と言いながら、身分制度がある。
三代前までさかのぼって出自を調べ、五十一の身分に分類する。
大きく分けると、核心階層、動揺階層、敵対階層に三区分される。
核心階層は特権階級で、平壌とその周辺地域に住む。500万人。
動揺階層は1300万人。
敵対階層は400万人で、北東部に住み貧困生活を強いられる。
2.国の指導者は徹頭徹尾、国民をだまし続けている。
小説は一代前の金正日の時代である。
彼は出自を偽っているが、そもそも父親の金日成が、白頭山で抗日戦争を指導したと公言していたが全くのウソ。
1945年8月、スターリンからソ連軍の大隊長(大尉)に任命され、9月、ソ連の軍艦に乗ってウラジオストックから元山に着いたとき、金成柱(キムソンジュ)の名をかたった。
金成柱こそが抗日武装闘争をした人物で、世間では金日成将軍と言われて尊敬されていたが、すでに1937年戦死していた。
3.指導者の犯した六つの罪
①3000年にわたる民族史を、指導者の家族史に書き換えた。
②首領絶対主義の王朝奴隷社会をつくった。
③200-300万人の国民を餓死させた。
④20万人以上の国民を強制労働収容所に送った。
⑤国を逃げ出し、送り返された国民を投獄し、拷問にかけ、処刑した。
⑥500人以上の韓国人、50人近い(?)日本人を拉致した。
以上、挙げればきりがないが、この小説の一番凄いところは、最後に最高指導者当人が登場することだ。
おととい14日に隣の大刀洗町で帚木蓬生講演会があり、質疑応答の時間もあって、「昨今の北朝鮮情勢をどう思うか」とぜひ聞きたかったが、当日のテーマが最新作にちなんだ「近世今村を通過した聖職者たち」であったため、遠慮して質問できなかったのは残念だった。
さて、もう一冊は黒川博行「国境」(講談社文庫、2003年)。
疫病神シリーズの一作なのだが、ちんぴらとやくざの名物コンビがなんと、詐欺師を追って北朝鮮に潜入するという話だ。
「受命」が国の招待であるのに対して、〝潜入〟なのだからはちゃめちゃだが、どうやって取材したのか不思議なくらいリアルだ。
(巻末の参考文献の数がすごい。現地へはツアーで行った様子が伺える)
これも金正日時代。
やくざの桑原にこんなセリフを吐かせる。
「日本はパーマデブに二十何人という国民をさらわれた。それを分かっていながら、政治屋どもは知らんふりや。国が国であるための根本はなんや。国境を守ることでも法を守ることでもない。国民のいのちを守ることやないけ。そんなあたりまえのこともできんようなヘタレの国がどこの世界にあるんじゃ。日本はとっくに腐ってる」
こんな勇気のある小説を、人気の一流作家2人が書いている。
今の金正恩時代についてはまだこれといった小説作品は出ていないのではないか。寡聞にして知らない。
もう現実は、村上龍が20年前に書いたSF「五分後の世界」に近づいているのかもしれない。
「五分のずれで現れたもう一つの日本は、人口二十六万に激減し地下に建国されていた。駐留する連合国軍相手にゲリラ戦を続ける日本国軍兵士たち――」
いずれも外から見た北朝鮮ではなく、内部から描いているところが凄い。
一つは帚木蓬生の「受命」(角川文庫、平成21年)。
主人公の医師津村は北朝鮮から招へいされ、平壌の産院で働くことになる。
その過程で、北朝鮮の衝撃の実情が明らかにされていくが、特に印象的なところを列挙してみる。
1.共産主義国家と言いながら、身分制度がある。
三代前までさかのぼって出自を調べ、五十一の身分に分類する。
大きく分けると、核心階層、動揺階層、敵対階層に三区分される。
核心階層は特権階級で、平壌とその周辺地域に住む。500万人。
動揺階層は1300万人。
敵対階層は400万人で、北東部に住み貧困生活を強いられる。
2.国の指導者は徹頭徹尾、国民をだまし続けている。
小説は一代前の金正日の時代である。
彼は出自を偽っているが、そもそも父親の金日成が、白頭山で抗日戦争を指導したと公言していたが全くのウソ。
1945年8月、スターリンからソ連軍の大隊長(大尉)に任命され、9月、ソ連の軍艦に乗ってウラジオストックから元山に着いたとき、金成柱(キムソンジュ)の名をかたった。
金成柱こそが抗日武装闘争をした人物で、世間では金日成将軍と言われて尊敬されていたが、すでに1937年戦死していた。
3.指導者の犯した六つの罪
①3000年にわたる民族史を、指導者の家族史に書き換えた。
②首領絶対主義の王朝奴隷社会をつくった。
③200-300万人の国民を餓死させた。
④20万人以上の国民を強制労働収容所に送った。
⑤国を逃げ出し、送り返された国民を投獄し、拷問にかけ、処刑した。
⑥500人以上の韓国人、50人近い(?)日本人を拉致した。
以上、挙げればきりがないが、この小説の一番凄いところは、最後に最高指導者当人が登場することだ。
おととい14日に隣の大刀洗町で帚木蓬生講演会があり、質疑応答の時間もあって、「昨今の北朝鮮情勢をどう思うか」とぜひ聞きたかったが、当日のテーマが最新作にちなんだ「近世今村を通過した聖職者たち」であったため、遠慮して質問できなかったのは残念だった。
さて、もう一冊は黒川博行「国境」(講談社文庫、2003年)。
疫病神シリーズの一作なのだが、ちんぴらとやくざの名物コンビがなんと、詐欺師を追って北朝鮮に潜入するという話だ。
「受命」が国の招待であるのに対して、〝潜入〟なのだからはちゃめちゃだが、どうやって取材したのか不思議なくらいリアルだ。
(巻末の参考文献の数がすごい。現地へはツアーで行った様子が伺える)
これも金正日時代。
やくざの桑原にこんなセリフを吐かせる。
「日本はパーマデブに二十何人という国民をさらわれた。それを分かっていながら、政治屋どもは知らんふりや。国が国であるための根本はなんや。国境を守ることでも法を守ることでもない。国民のいのちを守ることやないけ。そんなあたりまえのこともできんようなヘタレの国がどこの世界にあるんじゃ。日本はとっくに腐ってる」
こんな勇気のある小説を、人気の一流作家2人が書いている。
今の金正恩時代についてはまだこれといった小説作品は出ていないのではないか。寡聞にして知らない。
もう現実は、村上龍が20年前に書いたSF「五分後の世界」に近づいているのかもしれない。
「五分のずれで現れたもう一つの日本は、人口二十六万に激減し地下に建国されていた。駐留する連合国軍相手にゲリラ戦を続ける日本国軍兵士たち――」
安倍総理以外あり得ないが… ― 2017/10/16
今回の総選挙は、政権選択どころか、安倍政権続投の一択だ。それ以外あり得ない。
外交・防衛の手腕は抜群で、誰一人かなわない。
北朝鮮危機のこのときに続投しなければ、日本は本当に滅ぶ。
安倍さんを悪くいう人たちは、単に日本に立派な総理大臣がいてほしくない。日本には国際的な発言力を持ってほしくない。日本はいつまでも弱い国であってほしい、という人たちです。負けるわけにはいきません。
しかし、総理に再選された暁には、内政はもっと改めてほしい。
安倍さんは左派(リベラル)過ぎるのだ。
8日夜のAbema TVで、有本香さんが言っていて目を開かれたが、安倍総理は実は金融緩和や女性登用など左派的な政策が多い。
第一、外国人に甘い。
中国人が北海道でどんどん不動産を買おうが、ほったらかし。
外国人観光客を増やすことばかり熱心で、乱暴狼藉を働こうがほったらかし。
北朝鮮の工作員が国内に何百人も潜伏しているらしいが、ほったらかし。
実はミサイルよりも、工作員が日本国内で蜂起する方が怖いという。
外国人労働者の問題について、例えば小池百合子氏などは、外国人労働者がLGBTの場合、パートナーには在留資格がないから何とかしたいとか、得意のダイバーシティー(多様性)で社会秩序を壊すのもお構いなしだが、安倍さんにもどうもそういう懸念がある。
防衛は国境線だけではない。
国土の保全、安全にもっと目を向けてほしい。
安倍さんはもっともっとタカ派になる必要がある。
外交・防衛の手腕は抜群で、誰一人かなわない。
北朝鮮危機のこのときに続投しなければ、日本は本当に滅ぶ。
安倍さんを悪くいう人たちは、単に日本に立派な総理大臣がいてほしくない。日本には国際的な発言力を持ってほしくない。日本はいつまでも弱い国であってほしい、という人たちです。負けるわけにはいきません。
しかし、総理に再選された暁には、内政はもっと改めてほしい。
安倍さんは左派(リベラル)過ぎるのだ。
8日夜のAbema TVで、有本香さんが言っていて目を開かれたが、安倍総理は実は金融緩和や女性登用など左派的な政策が多い。
第一、外国人に甘い。
中国人が北海道でどんどん不動産を買おうが、ほったらかし。
外国人観光客を増やすことばかり熱心で、乱暴狼藉を働こうがほったらかし。
北朝鮮の工作員が国内に何百人も潜伏しているらしいが、ほったらかし。
実はミサイルよりも、工作員が日本国内で蜂起する方が怖いという。
外国人労働者の問題について、例えば小池百合子氏などは、外国人労働者がLGBTの場合、パートナーには在留資格がないから何とかしたいとか、得意のダイバーシティー(多様性)で社会秩序を壊すのもお構いなしだが、安倍さんにもどうもそういう懸念がある。
防衛は国境線だけではない。
国土の保全、安全にもっと目を向けてほしい。
安倍さんはもっともっとタカ派になる必要がある。
朝刊一面で他社記者の実名挙げ批判 ― 2017/10/16
ついに新聞の一面で、記者が他社の記者の実名を挙げて批判した。
前代未聞である。
記者は犯罪を犯さない限り、ニュースの主役ではないのだから。
つまり、犯罪に匹敵するということだろう。
産経新聞一面「国難を問う」という衆院選企画の5回目(最終回)。
阿比留瑠比記者が、朝日新聞の坪井ゆづると毎日新聞の倉重篤郎を批判した。
本ブログでも何度か取り上げた、党首討論後に2人が安倍総理に対して浴びせた質問、理不尽な姿勢である。
まさにタイトル通り、「戦後メディア史の汚点」だ。
前代未聞である。
記者は犯罪を犯さない限り、ニュースの主役ではないのだから。
つまり、犯罪に匹敵するということだろう。
産経新聞一面「国難を問う」という衆院選企画の5回目(最終回)。
阿比留瑠比記者が、朝日新聞の坪井ゆづると毎日新聞の倉重篤郎を批判した。
本ブログでも何度か取り上げた、党首討論後に2人が安倍総理に対して浴びせた質問、理不尽な姿勢である。
まさにタイトル通り、「戦後メディア史の汚点」だ。
最近のコメント