「日本書紀」を読もうと決心 ― 2018/01/29
朝日新聞に訴訟を起こされている文芸評論家の小川栄太郎氏が、今朝の産経新聞「正論」に「松陰の『リアリズム』に覚醒せよ」と題して書いているのを読んで、まさに覚醒した。
鹿児島出身ということもあって、長年、幕末維新史に関心を持ってきた。
特に今年は大河ドラマが「西郷どん」ということもあって、海音寺潮五郎をはじめ史料を漁りまくってきた。
しかし、ふと、思ったのだ。
すべて武士の歴史ではないか。
封建時代は「サムライ」という世界に類のない美しい存在を生み出したかもしれないが、別に士族の出でもない私がそれを一生懸命学んでいるのはどういうことなのか。
小川氏は書く。
20代の吉田松陰が水戸学の大家と出会い、長州に「帰国後、『日本書紀』『続日本紀』を直ちに読み始め、〝身皇国に生まれて、皇国の皇国たるを知らずんば、何を以て天地に立たん〟と嘆声を挙げている。
これが松陰の『日本』発見である。
松陰は『日本書紀』に、古代日本史における歴代天皇の雄大な国際経営を発見した」
あらためて考えれば、吉田松陰も西郷隆盛も大久保利通も、自信が育った封建社会を打倒して、天皇中心の国家を樹立した。
サムライや武士道は確かに美しいかもしれない。
しかし、その時代を生きる者には苛酷そのものだった。
西郷隆盛の大伯父、西郷覚左衛門は寛政5年(1793)8月10日、江戸で腹を切らされた。西郷どんの祖父竜右衛門(今ドラマでごほごほ咳をしている人)のお兄さんだ。罪状は今も不明。
覚左衛門は西郷吉兵衛の長男だったが家督を取り消された。息子の吉左衛門までも士籍を剥奪された。
竜右衛門が享和三年(1803)8月9日に家督を相続するまで、西郷家の家督相続はちょうど十年間許されなかった。
大久保利通の父親はちょうどドラマでやった「お由羅騒動」に連座して島流しになり、騒動終息後も長く戻されず、結局6年も島流しに遭った。
私は、この西郷と大久保の家を襲った苦難が、2人に封建制度打破、門閥制度打破を深く深く決意させたのだと思う。
今、時代小説の大ブーム、刀剣ブームでサムライは国内外を問わず大変な人気だ。日本のキラーコンテンツと言っていい。
それはそれでいいのだが、維新の志士たちがどうして封建社会に見切りをつけたのかに思いを致してもいい。
吉田松陰が「日本」を発見したという「日本書紀」を読みたいと思う。

鹿児島出身ということもあって、長年、幕末維新史に関心を持ってきた。
特に今年は大河ドラマが「西郷どん」ということもあって、海音寺潮五郎をはじめ史料を漁りまくってきた。
しかし、ふと、思ったのだ。
すべて武士の歴史ではないか。
封建時代は「サムライ」という世界に類のない美しい存在を生み出したかもしれないが、別に士族の出でもない私がそれを一生懸命学んでいるのはどういうことなのか。
小川氏は書く。
20代の吉田松陰が水戸学の大家と出会い、長州に「帰国後、『日本書紀』『続日本紀』を直ちに読み始め、〝身皇国に生まれて、皇国の皇国たるを知らずんば、何を以て天地に立たん〟と嘆声を挙げている。
これが松陰の『日本』発見である。
松陰は『日本書紀』に、古代日本史における歴代天皇の雄大な国際経営を発見した」
あらためて考えれば、吉田松陰も西郷隆盛も大久保利通も、自信が育った封建社会を打倒して、天皇中心の国家を樹立した。
サムライや武士道は確かに美しいかもしれない。
しかし、その時代を生きる者には苛酷そのものだった。
西郷隆盛の大伯父、西郷覚左衛門は寛政5年(1793)8月10日、江戸で腹を切らされた。西郷どんの祖父竜右衛門(今ドラマでごほごほ咳をしている人)のお兄さんだ。罪状は今も不明。
覚左衛門は西郷吉兵衛の長男だったが家督を取り消された。息子の吉左衛門までも士籍を剥奪された。
竜右衛門が享和三年(1803)8月9日に家督を相続するまで、西郷家の家督相続はちょうど十年間許されなかった。
大久保利通の父親はちょうどドラマでやった「お由羅騒動」に連座して島流しになり、騒動終息後も長く戻されず、結局6年も島流しに遭った。
私は、この西郷と大久保の家を襲った苦難が、2人に封建制度打破、門閥制度打破を深く深く決意させたのだと思う。
今、時代小説の大ブーム、刀剣ブームでサムライは国内外を問わず大変な人気だ。日本のキラーコンテンツと言っていい。
それはそれでいいのだが、維新の志士たちがどうして封建社会に見切りをつけたのかに思いを致してもいい。
吉田松陰が「日本」を発見したという「日本書紀」を読みたいと思う。
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