小川榮太郎氏のキャリア2018/11/06

「新潮45」休刊の引き金になった論文を書いた、文芸評論家の小川榮太郎氏(51)。

好きでも嫌いでもないが(保守だから、どちらかといえば好きか)、facebookで毎日のように「一番大事なのは民族の将来を信じて思想と文藝の仕事に専念する事だ」みたいなことを書いていて、すごい大物感をアピールしている。

そんなすごい人なのかな、私も昔からけっこう文学書を読んでいるが、小川榮太郎なんて文芸評論家、知らなかったなあ、俺の勉強不足かなあ、と思っていたら、「週刊文春」10月11日号を読んで、謎が解けた。

「小川氏の論壇デビューは12年8月末、第一次安倍政権の挫折を描いた『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎)だった」
「無名の存在だった小川氏でしたが、同書の発行部数は約9万5000部。〝終わった政治家〟と見られていた安倍氏の復権と重なり、政治本としては異例のヒットを記録した」

な~んだ、たかが、この6年じゃないか。知らないはずだ。文芸評論じゃないし。
しかも、幻冬舎の見城徹社長によると…。

「出版の二カ月半ほど前、小川氏から原稿が郵送されてきた。当時、私は彼の存在を知らなかったのですが、安倍さんから電話で『小川氏が出版を希望している。読んでみてくれないか』と頼まれたのです。読んでみると非常に面白く、すぐに出版を決めました」

安倍晋三論を書いて、当の安倍氏本人に売り込んでもらう…。
しかも安倍氏は5500冊も買ってくれたという。

政治家におんぶにだっこの文芸評論家。
(あろうことか一昨年には、一本6480円もする酵素を安倍総理に売りつけようとしたという。本人は文春の取材に「記憶にない」と答え、否定はしていない)

非常に、ヒジョーに恥ずかしい男だが、生き方としては参考になる。
これくらい恥を掻き捨てないと、作家なんてなれないのだろう。

おかげで、今や、自分が日本の思想界を背負っているような顔ができるのだ。