『文豪ストレイドッグス』の盛り上がり ― 2017/09/07
実はそれに先立つ2011年10月、私は似たような発想で小説を刊行している。
『「花のいのち」殺人事件』(海鳥社)。
林芙美子が主人公で、主な登場人物は太宰治、織田作之助、井伏鱒二、川端康成、藤田嗣治……。
昭和5年、帝大生だった太宰治が、女給の「花ちゃん」と心中事件を起こし、太宰だけが生き残る。
女給の先輩である林芙美子が、本当に心中なのか、太宰による殺人事件ではないのかと疑い、捜査に乗り出すというストーリー。
以降、二人は生涯にわたって暗闘を繰り広げる。
クライマックスは昭和19年、信州に疎開していた芙美子の元に、太宰治の分身である大庭葉蔵が「トカトントン」と現れる。葉蔵に犯されようとした芙美子は「狂女」のパワーで対抗する――。
どうだろう。『文豪ストレイドッグス』の盛り上がりにあやかって、私の本も少し売れ出すといいのだが(笑)。
西郷どんの靖国合祀 ― 2017/09/08
亀井静香氏も言うように、長州色が強いのだ。薩摩人だから余計、敏感に感じる。
東京理科大側の大鳥居をくぐると、大村益次郎の異様なまでに巨大な銅像が聳えている。長州の人である。近代日本陸軍の創設者で、靖国神社の創建に尽力したという。それにしても大きい。大き過ぎる。
そして、靖国神社には、西郷隆盛をはじめ西南戦争の薩軍側の戦死者は祀られていない。時の政府に反旗を翻した〝賊軍〟だからだ。戊辰戦争で亡くなった東北諸藩の人々も、同じ理由で祀られていない。両戦争の戦死者でも、政府軍側の人々は祀られている。
古来、日本の神社には菅原道真や平将門ら、怨みをいだいて死んでいった者たちの魂を怖れ鎮めるという役割がある。靖国神社の在り方は日本古来のものではない。別に外国人を祀れと言っているわけではない。日本人同士が争いで血を流した、それを鎮魂すればいいではないか。
昨日、映画「関ケ原」を見た(合戦シーンが素晴らしかった)。あの時代は天皇の力が弱くなっていたから、東軍と西軍は、どっちが〝賊軍〟ということはない。家康と三成をどう評価するかで、意見が分かれるだけだ。
戊辰戦争や西南戦争を経て、日本の近代化は成った。その人たちの鎮魂なくして、何の「国安かれ」かと思う。これでは素直に参拝する気になれない。一刻も早く全ての日本人戦死者を等しく祀る、全国民のための神社へと変わってもらいたい。
同じ保守でも、〝賊軍〟の合祀に反対している人がいると、facebookで知ってショックを受けた。亀井氏の論考でも最後に、靖国神社崇敬奉賛会総代や日本会議の一部が反対しているとある。
ケント・ギルバート氏の講演を聴く ― 2017/09/12
講演のポイントを思い出しながらまとめてみた。
・憲法九条は憲法違反
憲法前文に「日本国民は……われらの安全と生存を保持しようと決意した」とある。
しかし、九条二項で「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とした。軍隊がなくて、どうやって国民の安全と生存を守るのか。
世界中で、憲法で自国の軍隊を否定しているのはコスタリカだけ。しかし、そのコスタリカは軍隊に近い武力を持ち、アメリカと軍事同盟を結んでイラク戦争にも参加している。
各条文で定めている生存権その他の権利も、九条のために守ることができない。よって九条は憲法違反。そもそも「日本を弱くする」ためにアメリカが作った憲法である。
「平和」というのは法律用語ではない、あいまいな言葉。
・沖縄の状況がいかにひどいか
沖縄で反基地闘争をしているのは、極左と、中国人、韓国人。沖縄の人はいない。いや、いるが、いるのは、中国の金で雇われた高齢者だけ。
彼らは勝手に米兵の自家用車を検問し、窓や車体を叩いて「死ね!」などと叫んでいる。アメリカだったら、射殺されている。そのうち事件になる。
しかし、沖縄県警は何もしない。取り締まれば警官は写真を撮られ、個人情報とともに張り出されるからだ。しかし、きっとそのうち事件が起こる。
・テレビは放送法違反
憲法で言論の自由が保障されているので、新聞は何を書いてもいい。
しかし、テレビ局は国家の財産である電波を割り当てられている代わりに、放送法で「公正な放送」「賛成、反対、両方の意見を取り上げなければならない」と定められている。
ところが、安保法制や加計問題の議論で、反対意見(安倍総理への攻撃)だけを90%以上も放送している。
なお、日本のマスコミがいまだにGHQ のWGIPやプレスコードに捕らわれているという部分が、元新聞記者として一番興味深かったので、復習のためにネットで探して張り付けてみる。
GHQはプレスコードとして、以下30項目の報道を禁じた。
(*は特に注目点)
(1)連合国最高司令官(司令部)に対する批判
*(2)極東国際軍事裁判批判
(3)連合国軍司令部が憲法を起草したことへの批判
(4)検閲制度への言及
(5)合衆国への批判
(6)ロシア(ソ連)に対する批判
(7)英国に対する批判
*(8)朝鮮人に対する批判
(9)中国に対する批判
(10)他の連合国に対する批判
(11)連合国一般に対する批判
*(12)満州における日本人取り扱いについての批判
(13)連合国の戦前の政策に対する批判
(14)第三次世界大戦への言及
(15)ソ連対西側諸国の「冷戦」に関する言及
(16)戦争擁護の宣伝
*(17)神国日本の宣伝(森首相はこれで職を追われた)
(18)軍国主義の宣伝
(19)ナショナリズムの宣伝
(20)大東亜共栄圏の宣伝
*(21)その他の宣伝(これで恣意的になんでも禁止できる)
(22)戦争犯罪人の正当化および擁護
(23)占領軍兵士と日本女性との交渉
(24)闇市の状況
(25)占領軍隊に対する批判
(26)飢餓の誇張
(27)暴力と不穏の行動の扇動
(28)虚偽の報道
(29)連合軍総司令部または地方の軍政部に対する不適当な言及
(30)解禁されていない報道の公表
現在の反日マスコミこそが、アメリカに膝を屈した報道を続けているのだ。
自民公約に改憲4項目 ― 2017/09/21
憲法改正では4項目。
①自衛隊の存在の明記
②教育の無償化
③緊急事態条項
④参院選「合区」解消
①③は国家として当たり前のことである。
②はどうだろうか。
18日付同紙「談話室」に18歳の高校生が投稿していた。
大学の無償化に反対である。
理由は、行きたい意志のなかった人も安易に進学し、その結果、多くの税金が使われて国民にしわ寄せが行く。
それよりも、経済的に苦しい世帯には学費を安くする仕組みを整備すべきである。
正論である。
社会保障と同じで、財源が厳しいのは目に見えている。
もしやるにしても、憲法で決めるのでなく、法律で十分である。
④については、かねて本ブログでも訴えていたことで大賛成だが、詳しい内容が新聞報道ではわからない。
こういうときこそ、紙面の制約のないWEBで詳報を伝えてほしいものだ。
応募作の使い回しは非難すべきことなのか ― 2017/09/21
予選委員7氏=円堂都司昭、香山二三郎、新保博久、千街晶之、細谷正充、山前譲、吉田伸子+光文社文芸局が10点満点で採点、討議のうえ選定したという。
予選委員の名前が出ているのも初めて見たが、
【予選委員からの候補作選考コメント】として、応募者の姿勢へのかなり強い批判が書かれていて驚いた。異例ではないか。
香山二三郎氏は「しつこいようだけど、次の二点にはくれぐれも気を付けて。応募作品は新作で。既応募作品での再応募は本賞では控えましょう。原稿の印字は字間を詰めて。読みにくいと端から印象が悪くなります」。
これくらいはいい。気をつけよう、という気になる。
新保博久氏は、ある作品(原文では明記)に「次にどう展開するのだろうとワクワク感を覚えた」が、「二年前の他賞の落選作という凶状が判明して支持を撤回した。再応募作が絶対に不可というわけではないが、以前の応募状況を問い合わせてもダンマリだったのは、作者も後ろめたいのだろう。その作品での落選歴を秘匿していても、予選委員はたいてい複数の賞を兼任しているから十中八九、露顕すると覚悟しておいてもらいたい」。最後に「恥じ入れ」とまで付け加えた。
確かに今回、予選の読み手は相当にいらいらした様子だ。
細谷正充氏は「他の新人賞に投稿して落ちた作品を、そのまま送ってくる“使い回し原稿”問題も、クローズアップされた。二重投稿ではないので応募規約に違反しているわけではないが、今回、同じ内容で四度目の投稿という作品があり、さすがに問題視せざるを得なかった。自分の作品が可愛いのは分かるが、プロの作家になりたいのだったら、見切る勇気も必要だろう」。
吉田伸子氏も「二重投稿はないものの、いわゆる“使い回し”(過去に別の賞に応募した作品)が目立ちました。過去に応募した時のタイトルと変えられていることから、故意だと推察しますが、これは止めていただきたい。過去の作品に拘る気持ちも分からなくはないですが、フェアではないと思います。それよりも、新しい作品へ気持ちを向けたほうがいい。新人賞が求めているのは「新しい芽」である、ということを心に留めておいて欲しいです」という。
ただ、応募者の立場から言わせてもらうと、自分では結構自信のあった原稿が一次予選も通過しない場合、「これ、ほんとに読んでもらったんだろうか」と疑ってしまうのは自然な心理だ。
悪気があってやっているのではない。自分の作品が可愛いのだ。
だから、別の賞に応募して、もう一度読んでもらおうとする。
書いた人ならわかるが、長編小説を書くのは本当に大変だ。
日々、部屋に引き籠るという孤独と、いくら時間を費やしても報われない巨大な徒労感と才能のなさに長時間耐えなければならない。
こうして出来上がった作品が可愛いのは当たり前だ。
ちゃんと読んでもらっているのか、読まれたとしても本当に正しい評価なのか、疑ってしかるべきだ。
業界人の評価があてにならない例は枚挙にいとまがない。
最も有名なものでは、ハリーポッターが十数社の出版社に断られたという例がある。
「恥じ入れ」とまで非難すべきことなのだろうか。
読むほうはせいぜい数時間だろうが、書くほうはどれだけの時間を費やしていることか。
これでは、書かずに読者でいるほうがずっと楽でいい、と思ってしまう。
「定年後」を読んで ― 2017/09/22
ベストセラーになっている楠木新著「定年後」 (中公新書)を読んだ。
著者が最も力を込めて言っているのは、定年後は自分の「居場所」を見つけろ、ということだ。
私は50歳で選択定年退職し、もう10年近く。
その間、1年半余りは再就職して働いたが、あとの時間はほとんど家に籠って小説を書いていた。
そして一冊だけは福岡の出版社から出すことができたが、
編集者から「内容が素晴らしいので企画出版で押したのですが、文芸書は売れないものですから……」と申し訳なさそうに言われ、60万円はこちらで持った。通常の自費出版では200万円は出さねばならない。
しかし、言葉通り、売れなかった。
こんな調子で生きてきたので、自分の居場所は見つけていない。どこにもない。
定年後の虚しさ、つらさだけは十分に味わってきたから、著者の言いたいことがよく分かる。
あらためて自分の居場所が欲しい、つくらなければならない、と強く思っている次第だ。
今年は同級生たちが還暦を迎え、皆もほとんど「定年後」となる。
還暦同窓会で再会したら、居場所づくりのヒントを得、あるいは一緒に居場所をつくるところまで行けたらいいのだが。
11月末に戦争が始まる ― 2017/09/23
トランプ米大統領は11月、来日する。中国も訪れる。
北朝鮮と戦争をするかどうかの相談に来るのだ。
6:4の割合で戦争になる。
戦争しない4割とは、米が北朝鮮に、米までは届かない短距離ミサイルまでは認める場合だ。
これはむしろ日本にとって最悪で、日本は核武装しなくてはならなくなる。
中国は、金一族を米が中国の代わりに倒してくれるなら戦争はOK。
ただし、その後の北朝鮮を米が支配するのは困る。
戦後の北朝鮮は中国が管理するという、米中の談合はすでに成立しているとみる。
北朝鮮は中東でミサイルビジネスをしている。
イランにも、対岸のサウジアラビアにもミサイルを売っている。
ミサイル発射はビジネスのショーウインドーだ。
だから、長距離弾道弾だけでなく短距離も撃ってみせているのだ。
では、北朝鮮は圧力に屈して核開発をあきらめるか。
それはない。
なぜなら、イラクのフセイン大統領やリビアのカダフィ大佐が言うことを聴いて核開発を放棄したとたんに殺されたのを知っているからだ。

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