「定年後」を読んで ― 2017/09/22
ベストセラーになっている楠木新著「定年後」 (中公新書)を読んだ。
著者が最も力を込めて言っているのは、定年後は自分の「居場所」を見つけろ、ということだ。
私は50歳で選択定年退職し、もう10年近く。
その間、1年半余りは再就職して働いたが、あとの時間はほとんど家に籠って小説を書いていた。
そして一冊だけは福岡の出版社から出すことができたが、
編集者から「内容が素晴らしいので企画出版で押したのですが、文芸書は売れないものですから……」と申し訳なさそうに言われ、60万円はこちらで持った。通常の自費出版では200万円は出さねばならない。
しかし、言葉通り、売れなかった。
こんな調子で生きてきたので、自分の居場所は見つけていない。どこにもない。
定年後の虚しさ、つらさだけは十分に味わってきたから、著者の言いたいことがよく分かる。
あらためて自分の居場所が欲しい、つくらなければならない、と強く思っている次第だ。
今年は同級生たちが還暦を迎え、皆もほとんど「定年後」となる。
還暦同窓会で再会したら、居場所づくりのヒントを得、あるいは一緒に居場所をつくるところまで行けたらいいのだが。
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