林福江さんを悼む2018/08/13

林福江さん(2009年4月25日、旧門司三井倶楽部で)
作家林芙美子の姪、福江さんが6日亡くなった。92歳。
葬儀は9、10日、密葬で行われた。

大正14年、鹿児島市生まれ。
同市の三州バスで働いていた昭和26年、林芙美子に母キク(福江さんには祖母)の面倒を見てほしいと請われて上京。東京都新宿区中井二丁目の芙美子宅(現在の新宿区立林芙美子記念館)で一家と暮らした。
ひと月後の同年6月、林芙美子が自宅で急死。47年には、芙美子の夫だった林緑敏氏と結婚した。
緑敏氏は平成元年に死去。同4年、新宿区が旧宅を購入し、林芙美子記念館を開館。福江さんは近くに住んで毎日顔を出し、来館者と接していた。研究者の取材に応じてきたほか、平成25年の「生誕110年 林芙美子展」をはじめ、資料提供に協力してきた。

林芙美子を主人公にした、桐野夏生の小説「ナニカアル」(平成22年)では、語り手の「林房江」として登場している。

ここ数年は体調を崩していた。