日本は無条件降伏していない?2022/03/11

ツイッターで早稲田の教授があまりにも「日本は無条件降伏していない、していない」と繰り返すので、気になって確認してみた。
何しろこの教授、反論には「歴史を学べ」と罵倒するだけで説明しない、不親切な人なのだ。

本棚から『別冊正論24』を取り出す。これは役に立つ。



まず、ポツダム宣言(昭和20年7月26日)を見る。
13項目あって、6以下の8つが「吾等の条件」だ。
ん? 条件があるということは、確かに無条件ではない。

しかし、最後(13番目)には「吾等は日本国政府が直に全日本国軍隊の無条件降伏を宣言し云々」と、やはり「無条件降伏」の文言があるではないか。

これについて、まさに当事者である、終戦時の内閣書記官長、迫水久常はこう書いている。

ポツダム宣言では決して日本が統治権をアメリカに委ねる意味において無条件降伏したのではありません。
要するに軍隊の無条件降伏という一つの条項を含んでおるけれども、国家の無条件降伏はないんだと。即ち日本はアメリカに対して無条件降伏をしたことはないんだと。軍隊が無条件降伏したことはあるが、日本国家が無条件降伏したことはないんだというのが、私の考え方であります。


これは一見、強弁に聞こえる。
しかし、ポツダム宣言受諾に関する8月10日付帝国政府の申し入れに対する、米英ソ中の回答にはちゃんと「最終的の日本国の政府の形態はポツダム宣言に遵(したが)ひ、日本国国民の自由に表明する意思に依り決定せらるべきものとす」と書いてある!
迫水久常の言う通りだ。

ただし、9月2日に調印された降伏文書には「天皇及日本国政府の国家統治の権限は本降伏条項を実施する為適当と認むる措置を執る聯合国最高司令官の制限の下に置かるるものとす」とあり、この「制限の下」が論議を呼ぶわけだが、確かに日本は国として無条件降伏したのではないとは言えるようだ。
教科書は正確に書き改める必要がある。

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