自分の仕事に「さん」を付ける神経2011/08/17

冨安徳久『ぼくが葬儀屋さんになった理由』(講談社+α文庫)を読んだ。

とても面白かった。
葬儀屋という仕事を天職と信じ、世間から低く見られることをはね返していく姿は感動的ですらある。

でも、ただ、一点。

なぜ、自分の仕事に「さん」を付ける?

私は新聞記者をやっていたが、『ぼくが記者さんになった理由』なんて本を書くか?

かつて、貴乃花という相撲取りがいた。
(お父さんではなく、息子のほう)
立派な力士だったが、1つだけ気にくわないことがあった。

自分のことを必ず「お相撲さん」というのだ。

そこに彼の甘さを見た。
歴代の横綱の中でも指折りの名横綱だったと思う。
それだけに、自分の仕事は「力士」とか「相撲取り」と言ってほしかった。
(「力士」なんて、カッコイイのにね)

彼がインタビューで「お相撲さん」と言うたびに、がくっと来た。

子供が「(将来)お花屋さんになりたーい」と言うのはいい。かわいい。
しかし、現在花屋をやっている人自身が、自分の仕事を「花屋さん」と呼ぶのはどうだろうか。

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