林芙美子と昭和史研究会2021/04/22

「林芙美子と昭和史研究会」というような会ができないか考えています。

対象は、林芙美子と昭和史の両方に興味・関心を持つ人です。入会条件はただ一つ。先の大戦で日本は悪いことをしたと初めから決めつけている人は入会できません。

林芙美子ほど戦争に向き合った作家はあまり見当たりません。
満州事変の只中を突破して渡欧し、日中戦争の最前線に従軍し、太平洋戦争後は南方戦線をくまなく見て回りました。

さらに敗戦後の占領期。作家の山田風太郎(芙美子より下の世代)は「昭和の前期と後期の間、つまり敗戦とその後の数年こそ、前期後期にまさる巨大な時代であった」とし、また、歴史家の平泉澄(芙美子より上の世代)は「史上空前の暗黒時代」だったと言っていますが、それこそまさに林芙美子が大活躍した時代です。

その時代に学ぶべきものはないのか。

戦艦大和とともに沈み、奇跡的に生還した吉田満は『戦艦大和ノ最期』で知られるが、『戦中派の死生観』の中で「戦争にかかわる一切のものを抹殺しようと焦るあまり、終戦の日を境に、抹殺されてはならないものまで、断ち切られることになったことも、事実である。断ち切られたのは、戦前から戦中、さらに戦後へと持続する、自分という人間の主体性、日本および日本人が、一貫して負うべき責任への自覚であった。要するに、日本人としてのアイデンティティーそのものが、抹殺されたのである」

今、日本の社会秩序が壊されようとしている時代です。
その萌芽はこの占領期にあり、問題は何ら解決していません。それどころかますます悪化。韓国や中国にいかに日本が侮辱され領土まで奪い取りにかかられようと、日本人は「見ざる聞かざる言わざる」。個人個人が快適な生活を追求すればいいと思っている人が多いようです。

政治家やマスコミに期待できないので、私としてやることは、戦争と敗戦を忘れない、ことしかありません。林芙美子と昭和史を学ぶだけです。
活動の最大目標は、年に一回(芙美子忌の6月を想定)、かごしま近代文学館2階文学ホールで研究発表大会を開くこと。それに向けて各会員は適宜、研究活動に努める(発表を強要するものではない)。

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