資本金1億円以下の会社のメリット2023/04/06

かつて在籍した新聞社が昨年1月、資本金を4億円も減資して、8330万円にした。

つまり、資本金1億円以下の「中小企業」になったのである。

中小企業になると、税制上のメリットを得られる。

繰越欠損金を全額控除扱いできる、所得に軽減税率が適用される、年800万円以下の交際費を損金算入できる、法人事業税の外形標準課税が対象外になるなどの優遇措置だ。

企業の社会的責任として税金は払いたい。
しかし、背に腹は代えられないということだろう。

そもそも同社は「社員持ち株制度」で、増資も社員に株を割り当てて買わせることでまかなってきた。会社は懐を痛めていない。

しかし、減資に当たっては、会社が社員の株を買い戻さなければならない。

資本金のうちから4億円を使って、社員の持つ株を額面500円で買い取った。社員400人として1人平均100万円。
社員から集めた金を利子なしで返したのと同じだから、ここでも会社の懐は痛めていない。

取得した4億円分の株は「消却」し、減資手続きは完了した。

今の新聞業界の厳しさを考えれば、縮小経営を選択したのは理解できる。

ただ、この先はどうなるのか。

かつて、5万部くらいの鹿児島新報という新聞があった。
そこまで落ちるのは早いかもしれない。

すべては30年前の社長のある奇妙な決断に始まる。
https://restart.asablo.jp/blog/2017/08/24/8654958

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