「人種差別から読み解く大東亜戦争」を読む2018/02/24



タイトル買いで失敗した。

人種差別をテーマにしながら、日露戦争に触れていないなんて!

しかも、「大東亜戦争の大義」「大東亜会議の意義」「大東亜共同宣言」を取り上げながら、最重要登場人物である汪兆銘(汪精衛)の自叙伝を読んでいないなんて!

なぜ、日本が欧米から目の敵、標的にされたかについて、「汪精衛自叙伝」(昭和16年9月10日発行)は明確に答えている。
日露戦争の勝利だというのである。

「日本人が露国人に勝ったということは、実にこの最近幾百年間に於て、亜細亜人が欧羅巴人に戦勝した最初の第一回であったから、その影響は実に大きく、直ちに全亜細亜に伝わり、全亜細亜民族は雀躍して喜び、そして極めて大なる希望に輝くようになったのである。(略)この通信が欧羅巴中に伝わると、欧羅巴の人民は親が死んだ如くに悲しみ、殊に英国は日本の同盟国でありながら、英国人達は一たびこの消息を聴くや、首を振り眉を顰めて、『日本がこの勝利を得たことは、結局白人の幸福ではない』と言うた」

また、アメリカのある学者(誰なのか知りたいが、まだ分からず)の本を紹介しているが、そこに書いてあるのは驚くべきことである。

「日本が露国に勝ったのは即ち黄人種が白人種に勝ったのである。というこの種の思潮が将来増大し行き、有色人種が皆提携するようになったならば、それは白色人種の為に甚だ不幸のことであり、白色人種には禍となるから、白色人種は、この様な思潮を予防することに努めなければならぬ」「欧羅巴の民衆解放運動は、当然なる文化的の運動であるが、亜細亜の民衆の解放運動は反逆的行為とみるべきである」

昭和天皇は大東亜戦争の遠因について、「日本の主張した人種平等案(注=1919年、第一次大戦後、平和会議で日本が提出した人種差別撤廃案)は列国の容認する処とならず、黄白の差別感は依然残存し加州移民拒否の如き(注=1924年、アメリカの排日移民法)は日本国民を憤慨させるに充分なものである」と述べられている。

米英ソは日本を懲らしめるべく、初めから狙い撃ちにしていたのだ!

※ちなみに「汪精衛自叙伝」は国会図書館デジタルコレクションから無料で印刷できます。ぜひ、お読みください。「東條英機宣誓供述書」も!

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