「弖」の字 ― 2022/12/10
森浩一『記紀の考古学』(朝日文庫)p.319に、ワカタケル(のちの雄略天皇)が市辺王を狩りに誘って射殺する事件を取り上げている。
その際、ワカタケルの従者が市辺王を「宇多弖物云王子」と評して用心するよう申し上げている。
ここは普通の本だと「うたて物云ふ王子ぞ」と平仮名にしている。
森浩一さんは「困ったことをいうの意味だ」としているが、「大変なこと」(岩波文庫)のほうがよさそうだ。
いずれにしろ、森さんが原文に当たっていることが分かる。
すなわち、「弖は、発音はテ、古代の日本では多用されていて、倭字(国字)の一つとみてよかろう」と、「弖」の字を特に取り上げている。
そして、埼玉稲荷山古墳鉄剣銘文の中の人名2人に「弖」の字が使われていることを挙げているが、なぜか江田船山古墳の銀象嵌銘大刀のことが触れられていないので、ここに記しておきたい。
11/30付に書いた「无利弖(むりて)」である。
その際、ワカタケルの従者が市辺王を「宇多弖物云王子」と評して用心するよう申し上げている。
ここは普通の本だと「うたて物云ふ王子ぞ」と平仮名にしている。
森浩一さんは「困ったことをいうの意味だ」としているが、「大変なこと」(岩波文庫)のほうがよさそうだ。
いずれにしろ、森さんが原文に当たっていることが分かる。
すなわち、「弖は、発音はテ、古代の日本では多用されていて、倭字(国字)の一つとみてよかろう」と、「弖」の字を特に取り上げている。
そして、埼玉稲荷山古墳鉄剣銘文の中の人名2人に「弖」の字が使われていることを挙げているが、なぜか江田船山古墳の銀象嵌銘大刀のことが触れられていないので、ここに記しておきたい。
11/30付に書いた「无利弖(むりて)」である。
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