直弧文の起源2023/05/15

直弧文(直線と弧からなる複雑な文様)については、ちょうど1か月前の4/15に広川町の石人山古墳の家形石棺に触れたきりになっていたが、忘れていたわけではない。むしろ考え続けていた。

昨日、黎明館で広田遺跡に関する展示を見て、ようやく少々書ける気になってきた。

広田遺跡は南種子町平山地区(種子島)の太平洋に面した小さな砂丘上にある。
昭和30年の台風によって出現し、その後の調査で150体以上の人骨と、約4万5000点もの貝製品が発見された。
弥生時代の終わりから古墳時代にかけた(3世紀から7世紀)墓の跡と考えられる。

衝撃的なのは、写真上の埋葬状況である。

人骨の上に、直弧文のような複雑な模様の描かれた貝符がたくさん散らばって副葬されている。

装飾古墳に描かれた同心円文が鏡の副葬を表わしているとしたら、同じく装飾古墳に描かれた直弧文は貝製品の副葬を表わしていると類推できる。

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