日独ともに不遇な戦争画2025/12/12

戦後、戦争画(作戦記録画)の多くは1951年にアメリカが持ち去った。
70年に153点が無期限貸与という形で返却されて東京国立近代美術館に収蔵されている。

宮下規久朗『戦争の美術史』によると、作品の扱いは日本に任されており、77年に50点程度まとめて公開する予定だったが、急遽中止。
77年以降、常設展示の一部として少しずつ展示し、他館への貸し出しにも応じているが、「近隣諸国への配慮」などからいまだに一堂に公開されたことはないという状況なのだ。

実は日本だけではない。
同書によると、ドイツの「もっとも扇動的な」戦争画450点はいまだにワシントンの膨大な陸軍美術コレクションの中にあって、公開も複製もされていない。
また、それ以外の戦争画1600点は1951年に西ドイツに返還され、さらに86年には7000点が返還された。しかし、いまだに全体調査がなされたこともないという。

ドイツの戦争画の「質」は知らない。
しかし、日本の戦争画の「質」が高いのは間違いない。

宮下氏は日本の戦争画について「日本美術史上きわめて重要な意義を持っている」とする。
「日本近代において後にも先にも見られないほど質の高い作品が多く生まれ、特にその画家の頂点を示すものが多いこと」とまで評価しているのだ。

戦争の記録としてだけでなく、日本の美術史上稀な作品の数々を一堂に見たいと思わないか⁉

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