栗のフィギュアに見えますか2022/11/04

青森県・亀ヶ岡遺跡、縄文時代(4000~3000年前)の土偶。
九州国立博物館4Fに展示中。

竹原史人『土偶を読む』では、土偶は女性像などではなく、当時の縄文人が食べていた植物をかたどったフィギュアだとする。

写真の土偶の場合、栗がモチーフだというのだが、これは比較的わかりやすい。

縄文人は栗林を育てて、食料や木材にしていたから、栗のフィギュアをつくって豊作を願ったり、信仰していてもおかしくはない。

頭部と局部のトンデモ像2022/11/04

九州国立博物館で開催中の「ポンペイ展」で、奇っ怪な像を見た。

大理石の四角柱に、ブロンズ製の男性の頭部と局部だけが付いている。

会場には他にもポンペイから出土した、いかにも古代ローマ的な男性の裸像がいくつも展示されている。

しかし、もちろん全身像であり、男性の頭部と局部だけなんて像は他にない。
これまで見たこともない。

だが、何も説明がない。
強いて言えば「解放奴隷」の像ではないかというところ。
見せしめ?

日本で言えば弥生時代だ。
弥生にはなぜか人物像がないから分からないが、縄文時代の土偶には女性器がはっきり記されているし、男性器そのものの「石棒」もたくさん出ている。

だからまあ、古代は今ほど性器を隠すことはない…
とはいえ、やはり奇異な像だ。

なぜ北海道・北東北だけが世界遺産に?2022/11/04

日本には縄文遺跡が9万か所もあるという。

ではなぜ、北海道・北東北の縄文遺跡群だけが昨年、世界遺産になったのか。

きっと比類ない土器や土偶、集落跡などが出ているのだろう…。

いや、待てよ。土器や土偶なら、長野や山梨、関東でむちゃくちゃすごいものが出ているが…?

昨日、大野城心のふるさと館で、北海道・北東北の縄文遺跡群世界遺産登録1周年記念福岡フォーラムがあった。

文化庁文化財調査官の鈴木地平氏によると、カギになったのはなんと「定住」だという。これは意外だった。

狩猟・採集社会であるにもかかわらず定住したという点で、人類が定住を始めるのは農耕社会以降であるという常識を覆したのだという。

なぜそれが分かるかというと、ここで土器の出番だ。
縄文土器のような重くてもろくてかさばるものを持って移動生活をすることはあり得ないというわけだ。

世界遺産一覧にも農耕以前の時代は少なく、生活の在り方や精神世界、集落の変遷など、ここまで克明に明らかにする資産は世界的にも稀だという。

また、同志社大の水ノ江和同教授によると、縄文文化の範囲は全く日本の領土に限られるという。

北は北方四島まで!
九州の向こうは対馬まで!
南は沖縄まで!

素晴らしい。やはり日本人の根底文化は縄文だ。

なのに、パネリストの2人までが「縄文人=お猿さん」という認識を示したのには失望した。